P2P企業の米BitTorrentは26日、映画やテレビ番組を取り揃えたデジタルメディアストア「BitTorrent Entertainment Network」をオープンした。同社は大手映画会社やテレビ局と提携し、先行するデジタルメディアダウンロード販売サイトと競合することになる。
26日時点で、映画、テレビ番組、PCゲーム、音楽コンテンツが5,000タイトル以上用意されている。この中にはハイビジョン番組も40時間も含まれている。
BitTorrentはこれまでに独立系映画会社やハリウッドメジャーと提携を重ねてきたが、今回、BitTorrent Entertainment Networkを立ち上げる際には、世界でも最大級の映画・テレビ番組保有企業であるMetro-Goldwyn-Mayer Studios(MGM)との提携に成功した。そのほかにも提携した企業としては20th Century Fox、Lions Gate、MTV Networks、Paramount Pictures、Warner Bros. Home Entertainmentがある。
BitTorrentはストアのオープンに際してDRMを採用した。多くの場合、Windows Media DRMが使用されている。これを利用して映画はレンタル形式で提供され、1タイトルあたり2.99ドルまたは3.99ドルとなっている。テレビ番組とミュージックビデオは1.99ドルで購入して保有することができる。多くの有料コンテンツは米国のみでの販売となっているため、日本から利用する際には注意が必要だ。
デジタルメディアを販売しているサービスとしてはAppleのiTunes Store、GoogleのGoogle Videoなどがあり、最近ではP2P技術を使ってテレビ番組をPC向けに配信するJoostの存在が注目を集めている。もちろんYouTubeなど多くのビデオ共有サイトも無視できない。
一方で、BitTorrentの技術は悪用もされており、多くの海賊版映画、音楽、書籍がいまだに流通し続けているという現状がある。海賊版コンテンツが無料で手に入る中で、同社は有料コンテンツを販売するという厳しい現実と直面していかなくてはならない。
関連情報
■URL
BitTorrent(英文)
http://www.bittorrent.com/
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・ 米BitTorrent、2,000万ドルのファイナンスを実施(2006/12/04)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/02/27 12:27
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