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「Thunderbird 2」3月末に正式リリース、タグ機能やGmail連携機能など搭載 |
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Thunderbird 2は、Mozillaが開発を行なっているメールソフト「Thunderbird」の次期バージョン。Windows、Mac OS X、Linuxに対応し、利用は無料。現在はBeta2を公開している。RC1を来週後半に公開し、正式リリースは3月末を予定している。 最新バージョンでは、メッセージにタグを付けて整理できる機能を追加した。これは、従来のラベル機能を拡張したもので、ユーザーが任意のタグを作成し、メッセージに付与できる。1つのメッセージに複数のタグを割り当てることも可能。タグ付きのメッセージは、検索機能や表示オプションで整理できる。
また、Webブラウザにある「戻る」「進む」ボタンを追加し、メッセージの表示履歴が確認できるようになった。複数のフォルダにまたがった前後のメッセージも表示可能なため、「さっき見ていた別のフォルダにあるメッセージにもワンクリックで移動でき、効率が上がる」（Mozilla Japan技術部）という。 メッセージを分類しているフォルダの表示を切り替える機能も追加した。通常の「すべてのフォルダ」以外に、未読メッセージがあるフォルダ、お気に入りのフォルダ、最近使ったフォルダのみの表示が可能。余計なフォルダを非表示にできるため、たくさんのフォルダでメッセージを整理している場合に便利だ。
Webメールサービスのアカウントを簡単に設定できる機能も加わった。Googleの「Gmail」や、アップルコンピュータの「.mac」を利用している場合は、ユーザー名とパスワードを入力するだけで、Thunderbird上でメッセージを受信・閲覧可能。ポート番号、セキュリティオプションなどのサーバー設定は不要となっている。 このほか、RSSフィードリーダーを統合。通常のメッセージと同様に扱えるため、受信した新着記事にタグを付けたり、フォルダに分類・整理できる。また、ネットワークへの接続状況に応じた、オンライン／オフラインの自動的切り替え機能を追加。さらに、ウィンドウ下部の専用バーによるメッセージ内検索や、「アドオンマネージャ」など、Firefox 2にある機能をThunderbirdにも応用した。 セキュリティ対策としては、フィッシングや迷惑メールへの対応を強化した。メール本文の不審なリンクをクリックした場合は警告ダイアログが表示される上、Firefox 2をデフォルトブラウザに設定しておけば、危険なサイトを開いたときでもブロックされる。従来からある学習型迷惑メールフィルタの能力も向上しているという。だたし、「日本語の迷惑メール判定は新しいテクノロジーの導入も含め、研究課題だろう」（Mozilla Japan砂原秀樹理事）とした。
Mozilla Japanの瀧田佐登子代表理事は、「Webメールの広まりによって、業界的に見てもメールクライアント全体の勢いがないように感じている。ただし、ソフトウェアならではのセキュリティ面や、企業用途でのニーズはある。Thunderbirdは、当初からスパムフィルタやフィッシング対策機能などを搭載することで、安全面での問題提起をした製品。今後もFirefoxを含め、Mozillaというプロジェクト全体で、インターネットを牽引していけるように努める」と語った。 慶應義塾大学の村井純教授はVTRコメントで、「Thunderbirdは、エンジニアがマルチセッションすることで機能を組み込んでいき、新しい技術に対応してきた。これからも、拡張性が期待できるだろう。また、Thunderbirdを含めMozilla製品は、さまざまな試みを早く取り入れることから、ユーザーがインターネットで新しいことに取り組む上でのプラットフォームになっていくと思う」と述べた。
関連情報 ■URL Mozilla Japan http://www.mozilla-japan.org/ ■関連記事 ・ Mozilla、日本語版も追加された「Thunderbird 2 β2」を公開（2007/01/24）
（ 野津 誠 ）
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