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携帯UIベンチャー「ZenZui」がMicrosoftからスピンアウト


ZenZuiの操作方法を紹介する動画が、同社のサイトに掲載されている
 米Microsoftは27日、携帯電話のユーザーインターフェイス(UI)を手がけるベンチャー企業のZenZuiがスピンアウトし、活動を開始したと発表した。

 携帯電話ではインターネットへのスタートページが固定されているために、目的の情報にたどり着くまでに手間がかかるところにZenZuiは目を付けた。ZenZuiはスタートページ画面を最大で36分割し、その1つ1つを「タイル」と呼ぶ。1つのタイルはこれまでの携帯サイトのトップページに相当する。携帯電話の画面を指で数回タップするだけで、36タイルの画面から希望するサイトの画面に一気にズームインしたり、違う情報が見たくなったらズームアウトしたり、スクロールすることができる。ZenZuiはこの様子を簡単に見られる動画を公開している。

 携帯でのインターネットの見方が変わるため、携帯サイトを経営する企業はただ表示してもらうだけでなく、ズームインしてもらう必要が出てくる。そのため、ZenZuiではインターネット広告で使われるCPM(Cost Per Mille)などの用語に相当する新語として「CPZ(Cost Per Zoom)」という言葉を造っている。

 ZenZuiは携帯サイト開発者やマーケッター、広告会社などと、携帯電話事業者やコンテンツプロバイダーなどの間に入り、それぞれのユーザーのZenZuiインターフェイスに最適なサイトを表示する役割を担う。それぞれのサイトには最も適切と思われる広告を表示し、それによってユーザーはZenZuiのコストを負担しないで済む。

 ZenZuiは夏頃にソフトウェア開発キット(SDK)を公開する予定だ。ZenZui向けの携帯サイトを開発して人気が出れば、広告収入をZenZuiと分配できる。営利目的でなければ、携帯アプリケーションに広告を付けないよう選択することも可能だ。このようにZenZuiは携帯電話のユーザーインターフェイスだけでなく、携帯電話のビジネスモデルに大きな影響を与える可能性も秘めている。

 ZenZuiの技術は、Microsoftの研究所であるMicrosoft Redmond Research Labsで開発された。技術移転や資金獲得支援活動はMicrosoftのIP Venturesが行なった。IP Venturesは、Microsoftが開発した先進的な技術を素早く市場に投入するためにベンチャーを設立し、支援活動を行なうための組織だ。その結果として、ZenZuiは既にベンチャーキャピタルのOak Investment PartnersとHunt Venturesから、合計1,200万ドルのシリーズAファイナンスを受けている。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.zenzui.com/newsPressReleases.html


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/03/28 12:45

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