米調査会社のeMarketerは3月30日、インターネット利用者数は女性の方が男性よりも多いにもかかわらず、インターネット上の動画の視聴率では男性が女性を上回っているとの調査結果を発表した。
2006年のインターネット利用者の男女比を見ると、女性が51.6%だったのに対して、男性は48.4%だった。しかし動画を視聴した男性は71.2%に上ったのに対して、女性は55.0%にとどまった。
この理由として、eMarketerではいくつかの理由を挙げている。男性は女性よりも新しいテクノロジーを利用する割合が高く、その結果、動画を視聴するのに必要なブロードバント利用率が高い可能性がある。また、女性、特に成人女性は、娯楽のためというよりは何か必要なことを成し遂げるためにインターネットを利用する傾向が強く、そのことが影響している可能性もある。その上、家族や子供の世話で忙しく働いているために、動画を見るゆとりがない可能性も考えられる。
しかし、女性の動画視聴率を高める方法もまだ残されているようだ。eMarketerのシニアアナリストで、この調査報告書をまとめたDebra Aho Williamson氏は、「初期のデータによると、10代の女性は10代の男性と同じくらいインターネット動画に対して熱狂的であることを示している」とコメントし、若い女性が視聴率を上げる原動力となる可能性を示唆した。
さらに女性の方が男性よりもテレビを見る時間が46分も多いとの別の調査結果を踏まえれば、コンテンツプロバイダーが女性向けにテレビ番組を丸ごとネットで提供することも1つの考えだ。そうすることによって、ゆとりのある自分の時間に女性がテレビ番組を見ることができるからだ。
こうした各方面の努力によって、男女間の動画視聴率の差は狭まっていくとeMarketerは予測。2011年には男性の動画視聴率は88.8%、女性が84.6%にまで縮まっていくと予測している。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.emarketer.com/Article.aspx?1004755
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/04/02 11:13
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