Amazon.co.jpを運営するアマゾン ジャパンは24日、企業が専用ストアページを作成できる出店型新サービス「マーチャント@amazon.co.jp」の提供を開始した。
● 出店企業ごとに専用ページを作成できる「マーチャント@amazon.co.jp」
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「マーチャント@amazon.co.jp」のビジネスモデル
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出店が決定した企業。各社は準備が整い次第、ストアを開設していくという
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マーチャント@amazon.co.jpは、出店する企業が専用ストアページを構築して商品の販売が行なえるサービス。各社のストアページでは、ストア単位での検索も行なえる。また、「Amazon マーケットプレイス」とは異なり、販売価格や在庫状況、企業に対する評価に応じて「ショッピングカートに入れる」ボタンに、Amazon.co.jpに代わって表示される権利も提供される。
当初は、スポーツ&アウトドア/エレクトロニクス/ホーム&キッチン/おもちゃ&ホビー/ヘルス&ビューティー/ビデオゲーム/ソフトウェアの合計7ストアがマーチャント@amazon.co.jpの対象。機能面では、マイストアやカスタマーレビュー、決済機能、「あわせて買いたい」機能などのAmazon.co.jpが持つ機能が利用できる。
現時点で、出店が決定した企業数は約50社。この中には、お中元やお歳暮といったカタログギフトを取り扱うリンベル、フラワーギフトを取り扱う日比谷花壇のように、Amazon.co.jpでは従来得意としていなかった商品群を持つ企業も含まれる。なお、これら企業を横断的に紹介するポータル機能は用意されず、各ストアページへの誘導はAmazon.co.jpのトップページや各ジャンルページからの誘導などに止まるという。
出店に際する契約料等は発生せず、Amazon.co.jpでは商品売上代金の中から手数料(数値は非公表)を徴収するビジネスモデルで同サービスを展開する。今後も出店企業の拡大が進められるが、基本的にはAmazon.co.jp側がアプローチした企業に限定される。
Amazon.co.jpから出店企業に対して提供される個人情報は、商品発送に必要な氏名や住所などの情報になる。また、商品購入にあたっての質問はAmazon.co.jpでも行なうが、商品購入後のサポートは各企業側が担当する。
なお、マーチャント@amazon.co.jp出店企業が販売する商品に関しても、アフィリエイトプログラム「アソシエイト・プログラム」での紹介が可能。他の商品と同様に、売上に応じた紹介料がプログラム参加者に対して支払われる。
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専用ストアページを作成できるのが特徴の1つ
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条件に応じて「ショッピングカートに入れる」ボタン上に表示される場合もあるという
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Amazon.co.jpが持つ機能を利用できる
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リンベル以外にもマルイヴォイの「FIELD」も24日に出店を開始
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自転車用品を扱うパールイズミも
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Amazon.co.jpでは、ストアページなどから各企業サイトへの誘導を図る
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● チャン社長「Amazonの技術を提供するモール型とは異なるサービス」
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アマゾン ジャパンのチャン社長
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マーチャント@サービスは、2002年に米国で「Merchants@Amazon.com」として提供されたのを皮切りに、2006年には英国とドイツでもサービスが開始された。Amazon.comでは、2006年12月末時点でMerchants@Amazon.comに数千の企業が出店しており、マーケットプレイスを含めた第3者企業に商品販売数は全体の28%を占めるに至っているという。
マーチャント@サービスに関しては、開始から5年目に入った米国でもAmazon.comから企業に参加を呼びかける「招待制」を継続している。アマゾン ジャパンのアマゾンサービス事業部事業部長の前田宏氏は、「何よりユーザーに対して満足のいくショッピングを提供したいから」とその理由を説明し、企業選定にあたっては「商品扱い量や配送力などを基準に、当社と同等のサービスが提供できる企業を中心に選定を進めている」とコメントした。
また、同社代表取締役社長のジャスパー・チャン氏は「今回のサービスは、当社が持つ決済機能をはじめとした技術を他社に提供するサービス」と語り、「すべての商品を集めるモール型サービスとは考え方が異なる」とした。このため、楽天市場やYahoo!ショッピングなどのモール型サービスに対する優位点についても、「当社のeコマース技術やバックエンドのサービスが利用できる点だ」と技術面でのメリットを強調していた。
なお、本やCD/DVD、ゲームソフトなどのメディア商品に関しては「マーケットプレイスサービスが引き続き重要な役割を果たす」とし、マーチャント@amazon.co.jpでの対応は当面行なわないという。
チャン社長はその上で、「Amazon.co.jpはサービス開始から7年間で取り扱い商品数を拡大し、現在では12種類のストアで合計1,000万以上の商品を販売している」と同社の現況を説明。「今回提供を開始したマーチャント@amazon.co.jpを加えても、米国Amazon.comと比べれば提供していないサービスが多数ある」と語ったのち、「Amazon.co.jpではビジネスチャンスを拡大できる余地が今後も十分にある」と自信を示した。
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各国で提供するストアやサービスの比較
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各国でこれまでに提供された企業向けサービス
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関連情報
■URL
Amazon.co.jp
http://www.amazon.co.jp/
関連記事:Amazon.co.jp、中古書籍やCDなどを売買できるオンラインマーケットを開設
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1106/amazon.htm
( 村松健至 )
2007/04/24 18:04
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