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アドビ、大容量のCADデータに対応した「ADOBE ACROBAT 3D VERSION 8」


ADOBE ACROBAT 3D VERSION 8
 アドビシステムズは15日、3Dデータ対応のPDF作成ソフト「ADOBE ACROBAT 3D VERSION 8」日本語版を発表した。価格は通常版が13万5,870円。同日よりアドビストアでの販売予約受付を開始し、店頭販売は6月中旬を予定。Windows Vista/XP/2000に対応する。

 ADOBE ACROBAT 3D VERSION 8では、CADデータ形式の1つ「PRC」を採用することで、大容量のCADファイルを高圧縮のPRCで最適化されたAdobe PDFファイルに変換できるようになった。従来は500MBを超えるファイルは変換できなかったが、PRCの採用により、ギガバイト単位のファイルも扱えるようになったという。

 また、製品製造情報(PMI)の入ったCADファイルをAdobe PDFに変換して表示可能になったほか、Adobe PDFからジオメトリ情報を抽出し、STEP/IGES/ParasolidといったCADフォーマットで保存できるようになった。Word、Excel、PowerPointドキュメントに3Dモデルを取り込み、ワンクリックでAdobe PDFに変換することも可能だ。

 ADOBE ACROBAT 3D VERSION 8では、PDF作成ソフト「Adobe Acrobat 8 Professional」のすべての機能を搭載する。共有レビュー機能を用いて、3Dモデルにコメント・注釈を付加し、カメラビューとして保存できる。管理者から共有の権限が与えられていれば、無償のAdobe Reader 8ユーザーでもコメント・注釈を書き込み、保存することが可能だ。


ADOBE ACROBAT 3D VERSION 8画面 共有権限が与えられたユーザーはコメント・注釈が可能

Adobe Acrobat 3D Toolkitで3Dモデルの編集が可能 ADOBE ACROBAT 3D VERSION 8の活用例

ACROBAT 3Dは製造業界がターゲット

ギャレット・イルグ代表取締役社長

小圷義之フィールドプロダクトグマネージャー
 アドビシステムズは15日、Acrobat 8ファミリーおよびADOBE ACROBAT 3D VERSION 8に関する記者説明会を開催した。

 同社のギャレット・イルグ代表取締役社長は、Acrobat製品のビジネス戦略について説明した。「PDF市場に参入している企業は複数あるが、アドビはきちんと差別化を図り、開発を続けている。Acrobat 1.0の登場以来、継続的にイノベーションを起こすことで、業界を牽引してきた」と話す。

 「日本のワークスタイルは、従来のプロセス型から、さまざまなスキルを持った人が集まって1つの目標を達成するプロジェクトスタイルに移行している。そこで重要なのは、必要な情報をどのように集め、共有し、協力作業をしていくのかということ。さらに、さまざまなOS、アプリケーション、ファイル形式にどう対応していくのかということ。その答えがAcrobatである」(イルグ社長)。

 ADOBE ACROBAT 3D VERSION 8については、製造業界を重要開拓市場とし、市場に特化した製品を投入する方針。イルグ社長は、「日本においてはパートナーモデルを今後も維持する。ディストリビューターやシステムインテグレーター、製造業に特化した付加価値リセラーと協業することで、ユーザーに価値を提供する」と述べ、日本企業の課題である生産性とグローバル化に対応するとした。

 小圷義之フィールドプロダクトグマネージャーは、「製造業では、設計図などで3Dデータを扱う機会が増えており、社内で3Dデータを簡単に共有する手段が求められている。そのような場合に活用できるツールがACROBAT 3D」と説明する。「Acrobat製品を日々のカジュアルなコミュニケーション手段として使っていただきたい。また、文書の電子化だけではなく、日々の業務の過程で使っていただきたい」とアピールした。


Adobe AcrobatおよびPDF関連ビジネスの売上 アドビシステムズの主要事業プラットフォーム別売上比較

ワークフローにおけるAdobe Acrobatファミリーの活用 製造業におけるAdobe Acrobatファミリーの導入事例

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.adobe.com/jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/200705/20070515acrobat3d.html

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( 野津 誠 )
2007/05/15 17:20

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