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ブラウザで利用可能な「楽天メッセンジャー」、携帯メールのチャットも


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 楽天メッセンジャー株式会社は23日、インスタントメッセンジャー(IM)「楽天メッセンジャー」ベータ版の提供を開始した。利用は無料だが、楽天会員IDを取得する必要がある。OSはWindows XP SP2、ブラウザはInternet Explorer 7/6に対応する。

 楽天メッセンジャーは、PCへのインストールが不要で、チャットと音声通話をWebブラウザ上から利用できる。携帯電話のメールを活用したチャット機能を備えているのが特徴だ。ユーザーのプレゼンスが「ケータイ受信可能」となっていれば、PCで入力したメッセージを携帯メールに変換して送信できる。また、携帯電話からメールに返信すれば、PC側にメッセージを送信することが可能。ただし、チャットを開始できるのはPCからのみ。一部のIMではアプリケーションを用いて携帯電話からのチャットに対応しているが、携帯電話のメールを活用したチャット機能は業界初としている。

 このほか、SNS「楽天リンクス」の管理画面上から楽天メッセンジャーの状態を表示する機能を搭載。楽天リンクスの友達一覧画面から楽天メッセンジャーを起動して、メンバーとチャットや音声通話を行なえる。同サービスの開発に携わった楽天の浅見貴之氏(開発・編成統括本部部門長)は、「SNSのコミュニティで話が盛り上がった友人と、リアルタイムなコミュニケーションが可能になる」としている。

 なお、呼制御プロトコルはSIP、音声コーデックはG711を採用しているほか、メッセージはすべて128ビットの暗号化が施される。また、PCと携帯電話を問わずメッセージの履歴は保存されない。


Webブラウザから利用できる ステータスが「ケータイ受信可能」となっていれば、携帯電話でメッセージを受け取れる

PCで入力したメッセージを携帯メールに変換して送信できる 携帯電話のメールを活用したチャットの仕組み

SNS「楽天リンクス」の管理画面上では、楽天メッセンジャーのステータスを表示できる 楽天リンクスとの連携機能の概要

IM市場の競合は多いが「国内市場は伸びる余地あり」

楽天メッセンジャー代表取締役社長の板場雅裕氏

楽天メッセンジャーを提供する狙い
 2007年4月に設立された楽天メッセンジャー代表取締役社長の板場雅裕氏は、同サービスの狙いとして「新規会員獲得」と「既存事業の強化」の2点を挙げる。新規会員獲得については、ユーザーへの招待機能を活用することで、楽天会員IDの登録数拡大を見込む。既存事業強化に関しては、楽天グループの各サービスを通じて、IMを利用するきっかけを提供したいという。今後は、楽天トラベルや楽天証券などのサービスとも連携するほか、「個人的には、楽天市場などで商品購入時に電話注文できる機能も考えている」(板場氏)。

 収益については、IM画面上にバナー広告を設置することで、広告収入を見込む。また、一般の固定電話や携帯電話からの通話を着信可能にするサービスなど、他社が提供する有料オプションサービスによる収益についても検討するとしている。

 IM市場では、2007年3月時点で1億9,550万人が利用する「Skype」をはじめ、マイクロソフトやヤフー、グーグルなどが多くの利用者を集めている。23日に開催された会見では、「なぜこの時期に参入したのか」という質問が寄せられたが、板場氏は「国内のIM市場は海外に比べて普及が遅い。また、国内では携帯端末がコミュニケーション手段となっている。こうしたことを考えると、日本でもIM市場はまだまだ伸びる余地がある。楽天グループの各サービスとの連携を強化して、IMを使うきっかけを提供すれば、IM利用者は増えるはず」として、勝算があることをアピールした。目標利用者数については明らかにしなかったが、「国内ナンバーワンを目指す」という。

 なお、楽天メッセンジャーの開発にあたっては、フリービットが技術協力している。フリービットによれば、楽天メッセンジャーはIPv6環境で動作し、アプリケーション自体がIPv6アドレスを保有する自律ノードとして存在するという。IPv4環境でIPv6アドレスを保有するアプリケーションを動作させる手段としては、VPNプラットフォーム「Emotion Link」および、アプリケーションに独自にIPv4/IPv6アドレスを割り当てる「Emotion Link Active Node」テクノロジーを提供している。


IM市場について 楽天メッセンジャーの戦略

関連情報

URL
  楽天メッセンジャー
  https://phone.rakuten.co.jp/


( 増田 覚 )
2007/05/23 18:18

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