政府の知的財産戦略本部は5月31日、「知的財産推進計画2007」を正式決定した。ファイル交換ソフトによる著作物のダウンロードや、インターネットオークションにおける海賊版の出品について、違法とする方向で法整備を進めることなどが盛り込まれている。
ファイル交換ソフトなどインターネット上で違法送信されている著作物のダウンロード行為や、海賊版CD/DVDからの複製行為については現在、著作権法第30条が認めている私的複製の許容範囲とされている。推進計画では、これらの行為を私的複製の許容範囲から除外することについて、「個人の著作物の利用を過度に萎縮させることのないよう留意しながら」検討を進め、2007年度中に結論を出すとしている。
海賊版対策については現在、公訴を提起するにあたっては被害を受けた権利者からの告訴が必要な「親告罪」とされているが、今後は被害者が告訴をしなくても摘発できる「非親告罪」とするように2007年度中に法制度を改訂する。
インターネットオークションへの海賊版出品に対しては、著作権法で広告行為(出品)自体を権利侵害することを検討。インターネットオークションに海賊版を出品しただけでも取り締まれるよう、2007年度中に必要に応じて法整備するとしている。現在、商標法などでは、偽ブランド品の広告行為も違反とされているが、著作権法では広告行為について権利侵害とは見なしていなかった。
そのほか、ネット検索サービスで用いられるサーバーに文書や画像データが複製される問題については、著作権法上の課題を明確にして2007年度中に結論を出すとしている。
関連情報
■URL
知的財産推進計画2007(PDF)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/060531keikaku.pdf
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( 増田 覚 )
2007/06/01 20:33
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