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SANS Instituteリサーチ部門代表のAlan Paller氏
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米SANS Instituteは17日、日本初開催となるセキュリティ関連のイベント「SANS Future Vision 2007 Tokyo」の開幕に合わせ、リサーチ部門代表のAlan Paller氏が報道関係者向けの説明会を行なった。
SANS Instituteは、米国政府や企業・団体間におけるセキュリティ分野での研究や教育を目的として、1989年に設立された組織。現在の活動としては、米国政府のセキュリティ分野における公共政策への関与、セキュリティ関連の調査研究、人材育成を目的としたトレーニングプログラムを実施している。
Paller氏はセキュリティ分野の現状として、かつてのように興味本位でウイルスなどが作られていた時代とは異なり、金銭を目的とした組織犯罪としての傾向が顕著になっていると指摘。これまで、こうした組織犯罪グループは東欧に多く存在していたが、インドネシアやタイなどアジア圏にもこうしたグループが見られるようになってきたとした。
こうした中で、今後登場すると思われる新たな脅威としては、モバイル機器への攻撃と、重要インフラなどの制御システムに対する攻撃を挙げた。モバイル機器への攻撃については、現時点では攻撃を金銭につなげる手法が確立していないが、たとえば機器をロックしてしまうような方法が見つかれば、解除するには金銭を振り込めといった恐喝などが考えられるとした。
また、制御システムに対する攻撃としては、既に発電所を狙っていると思われる攻撃が活発化していると指摘。制御システムとは別のシステムを乗っ取り、そこから制御システムに侵入する手口が検討されているという。Paller氏は、「こうした攻撃は、現時点ではシステムを乗っ取ることで金銭を要求する恐喝目的だと思われるが、テロ攻撃などに使われる危険性もある」と警告した。
SANS InstituteとNRIセキュアテクノロジーズでは、日本国内でもSANSのトレーニングプログラムを開催しているが、現時点では認定インストラクターを米国より招いて同時通訳により実施している。このため、両社では今回、日本国内でSANS認定インストラクターの募集を開始。今後、日本国内でのトレーニングプログラムをさらに拡充させていくとしている。
関連情報
■URL
SANS JAPAN
http://sans-japan.jp/
SANS Institute
http://www.sans.org/
NRIセキュアテクノロジーズ
http://www.nri-secure.co.jp/
ニュースリリース
http://www.nri-secure.co.jp/news/2007/0717.html
( 三柳英樹 )
2007/07/17 18:03
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