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都内の主要交差点に“渋滞カメラ”設置、インクリメントPがライブ配信へ

W-ZERO3[es]で動く3D地図アプリもが開発中

携帯電話向けのサービス「MapFanナビークル」の展示コーナーで、“渋滞カメラ”を紹介していた
 インクリメントPは18日、取引企業などを対象とした「パートナーズイベント」において、携帯電話やモバイル端末向けに開発を進めているサービスを公開した。交差点のリアルタイム映像を見られるライブカメラサービスや、Windows Mobile用の3D地図アプリケーションなどが紹介された。

 交差点のライブカメラサービスは、交差点を見下ろす場所にライブカメラを設置し、道路の混み具合を伝えるもの。サービスの開始時期や具体的な内容は未定だが、携帯電話向けをメインに、交通情報サービスの一部として提供する方針だ。まずは、東京都内で渋滞が多く発生する主要交差点20カ所にライブカメラを設置し、年内にも何らかのかたちで開始するという。

 映像の表示にはFlashを用いる。映像のみを表示することも可能だが、その上に通りの名称や方面を示す情報を重ねて見ることも可能だ。

 渋滞の情報としてはVICSなどが普及しているが、プロのドライバーなどでは、実際に自分の目で見て判断したいというニーズもあるのだという。なお、プライバシーの観点から、ライブカメラ映像ではナンバープレートを読みとれないような解像度となるが、混み具合を判断するには十分なものだ。


交差点のライブ映像表示 通りの名称なども表示可能

Windows Mobile用にも3D地図アプリを開発中

「リアル3Dマップ BETA」の展示コーナー。画面に映っているのはPC版
 インクリメントPでは、地図ソフト「MapFan PLANNER」のユーザー向けに3月から「リアル3Dマップ BETA」を提供している。Windows Vista/XP/2000用の専用アプリケーションを用いて、インターネット経由で衛星地図や3D地図のデータを読み込んで表示できるサービスだ。今回のイベントでは、このリアル3Dマップを携帯端末用に提供するための「Pocket3D(仮称)」の試作版が公開された。

 Pocket3Dは現在、Windows Mobile 5対応のアプリケーションソフトとなっており、会場ではウィルコムのW-ZERO3[es]によるデモを披露。ソフト自体の容量やレンダリング性能は問題ないとのことだが、モバイル通信環境での利用ということで、3D地図データの軽量化が課題となる。現段階では参考出品となっており、提供時期も未定だという。

 PC用のリアル3Dマップが、どちらかというと趣味的な利用にとどまるのに対して、Pocket3Dは実用サービスでの展開を見込んでいる。携帯電話によるナビゲーションサービスと組み合わせることで、建物の形も詳細に表示された3D地図を使って、リアルな視点に近い表示で道案内が受けられるとしている。


「リアル3Dマップ BETA」の概要 W-ZERO3[es]による「Pocket3D」のデモ

MapFanの地図が海外サイトでも活用される事例

「ViaMichelin」での導入例
 国内の地図ソフト/地図サイトとしては老舗にあたるMapFanブランドだが、最近では海外の地図サイトにもインクリメントPの地図が導入されているという。同社では海外の都市地図データの整備を進めており、2007年度中に欧州133都市、北米65都市までカバーする計画だ。

 国際都市地図のコーナーでは、その導入事例として「ViaMichelin」「Map24」「Mappy」などのサイトを紹介。日本向けのサイトとは色調などのデザインが異なるものの、建物の形まで表示する日本ならではのデジタル地図が、海外でもニーズがあるのだという。特に欧州では、既存の地図データの整備がそれぞれの国単位にとどまるなど、複数の地域を統一されたフォーマットやクオリティで調達することが難しい場合もあるとし、インクリメントPの地図データの有用性をアールしていた。

 なお、国際都市地図データは、現地向けのサービスだけでなく、日本人向けにも活用されている。2006年にドイツで開催されたサッカーのワールドカップに合わせて、インクリメントPは「MapFan Web」において、現地の観光スポットなどを紹介する「Road to Germany2006」を期間限定で公開していた。また、Webサイトだけでなく、海外旅行ガイドブックにも活用されているという。会場では、インクリメントPのデータをもとにした地図を掲載している、JTBパブリッシングの「ララチッタ」シリーズなどを展示していた。

 このほか、試作サービスとして「携帯ナビゲーションアプリ」を展示。これは、国際都市地図を携帯電話用アプリケーションとして海外に持ち出して使えるようにするものだ。例えば、空港で出国前に目的地の地図をダウンロード提供するという方法が考えられる。プログラムソフト部分だけでなく、地図データやレストランなどのスポット情報もエリア単位でまとめてダウンロード提供することで、現地ではパケット通信を発生させることなく、地図の検索や目的地までのナビゲーションを行なえるようにしたい考えだ。


国際都市地図がカバーする都市 国際都市地図の採用事例

関連情報

URL
  インクリメントP
  http://www.incrementp.co.jp/

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( 永沢 茂 )
2007/07/19 21:19

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