角川グループホールディングスの関連会社「角川デジックス」は26日、米Googleが動画共有サービス「YouTube」向けに開発中の動画識別技術の実証実験に参加することで合意したと発表した。同実証実験への日本企業の参加は、角川書店グループが初めて。
実証実験参加の合意を受けて、Googleは角川グループから提供を受けたコンテンツの動画をYouTubeにテストアカウントでアップロードして、合致する動画があるかをチェックするマッチングテストを実施していく。また、テスト結果は角川グループ側に逐次フィードバックするという。
動画識別技術の実証実験はクローズドな環境で開始されており、DisneyやTime Warnerなどの各国企業が先行して参加していた。角川デジックスでは、動画認識技術の検証を行なうとともに、技術改良に関しても協力を行なっていく。
また、同社によれば、YouTubeが著作権対策に積極的に取り組む一方で、YouTube日本語版が開始される2007年6月以前から「涼宮ハルヒの憂鬱」や「らき☆すた」といった角川グループが著作権を保有するアニメや映画といった約15万ファイルがYouTubeで閲覧可能状態にあったという。そして、これらファイルの閲覧数が多いことから、その管理方法に関してグループで検討を重ねていたとしている。
角川デジックスは今回の実証実験参加の合意について、「インターネットユーザーのニーズを満たし、コミュニティを保護する方法について、YouTubeと積極的に議論を交わしてきた結果」だと説明。従来の管理ツールに加えて動画認識技術を含めた著作権管理が実現することで、「ただ動画を削除するだけではなく、ユーザーの楽しみを尊重し、同時に著作権者の権利を守ることができる、新しいテクノロジーの確立に大きな一歩を踏み出すもの」だとした。
その上で、角川グループ全体でYouTube日本語版をコンテンツの宣伝媒体としても積極的に利用する予定で、新たな動画共有モデルの確立を目指す考えだとしている。
関連情報
■URL
角川デジックス
http://www.k-digix.co.jp/top/
角川グループホールディングス
http://www.kadokawa-hd.co.jp/
YouTube日本語版
http://jp.youtube.com/
関連記事:角川書店、涼宮ハルヒを先行配信する「アニメNewtypeチャンネル」を開設[Broadband Watch]
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/18911.html
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( 村松健至 )
2007/07/26 15:32
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