Wikipedia創始者の1人であるJimmy Wales氏が立ち上げたWikiaが27日、分散Webクローラー「Grub」を当初の開発元である米LookSmartから買収したと発表した。Grubはオープンソースライセンスで近々公開される予定だ。
Wikiaは、Wikipediaの枠に収まらないコンテンツを無料でかつ再利用できる仕方でインターネット世界に提供することを目的としている。2004年11月に公開され、現在70言語で2,700のトピックに関する75万以上の記事が投稿されている。それと同時に、オープンソース技術をフルに使った、透明性の高いサーチエンジンを開発することを目指している。今回の発表は、Wales氏がいわゆるLAMP技術で開発されたサーチエンジンに関するビジョンを、オライリーオープンソースコンベンション(OSCON)で講演しているときに発表されたものだ。
GrubはLookSmartが開発を始めた分散Webクロールプロジェクトだ。これは、利用者がクライアントをインストールしておくことによって、コンピュータを使用していない空き時間にWebをクロールして、その結果として巨大なサーチエンジンを作り上げることを目指す。LookSmartはこの開発を始めたが、途中で公開が停止されていた。
現在、GrubクライアントのWindows版とLinux版をダウンロード可能だが、深刻なバグが多数あることが報告されているため、インストールには十分に注意が必要だ。また、30日時点でGrubの公開停止時点の古いバージョンのソースコードは公開されているものの、最新版のライセンスは今のところ公開されていないようだ。ソースコードの管理公開はSourceForge.netで行なわれることがWikiaのサイトに明記されている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.wikia.com/wiki/Search_Wikia_OSCON
Grubプロジェクトページのアナウンス(英文)
http://www.grub.org/html/news.php?op=show&id=1
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/07/30 11:50
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