情報処理推進機構(IPA)は20日、ソフトウェア製品の共通脆弱性評価システム(CVSS)を、新バージョンのCVSS v2に移行したと発表した。
CVSSは、脆弱性に対するオープンで汎用的な評価手法として、セキュリティ対策チームの国際組織であるFIRST(Forum of Incident Response and Security Teams)が推進している共通評価システム。CVSSは2005年6月に公開され、これまで各国の組織が運用してきたが、脆弱性を評価するCVSS基本値(0.0から10.0の範囲で算出される)が特定の値に集中してしまうことや、低めの値に分散してしまうといった課題が報告されていた。
このため、FIRSTでは評価項目の値や算出式を改善したCVSS v2を2007年6月に発表。IPAも脆弱性対策情報データベース「JVN iPedia」で公開している評価結果を、8月20日からCVSS v2に移行した。
CVSS v2は、評価結果が中央を中心として分散するように改善されている。JVNでこれまで公開した脆弱性情報201件で比較すると、CVSS v1ではCVSS基本値0.0~3.9の「レベルI(注意)」と評価される脆弱性が171件と最も多いが、CVSS v2ではCVSS基本値4.0~6.9の「レベルII(警告)」が141件と最も多くなる。IPAでは、これによりCVSS利用者が、脆弱性への対応の緊急度をより迅速に判断できるようになるとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.ipa.go.jp/security/vuln/SeverityLevel2.html
JVN iPedia
http://jvndb.jvn.jp/
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( 三柳英樹 )
2007/08/21 12:48
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