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借金オークションサイト「Prosper」にもサブプライム問題の影響


 オークションシステムを使って人対人(People-to-People)で金銭を貸借できる市場「Prosper」が米国で注目を集めているが、この市場も最近のサブプライム問題と無縁ではないことが最新の調査結果で明らかになった。

 一般的に、手元資金が余っていてもそれを他の人に貸して運用することは難しい。Prosperはオークションシステムを使ってこれを実現し、米国で新たな金融の1つとして注目を集めている。

 Prosperでお金を貸したい人は、自分が望む最低金利を入力し、50ドルから25,000ドルの間でローンの設定をする。逆に借りる側は25,000ドルまでのローンの申し込みをし、同時に支払える最高金利を入力する。借りる側の信用を調べるために、Prosperは借りる側から借金に必要な理由や個人的な情報の掲載を求め、それによって貸す側が信用度を判定する。オークションが始まると貸す側が金利を入札していき、終了時にはProsperが最も低かった金利入札者に落札させ、それらの貸手の資金を合わせて1つのローンとして借りる側に提供する。Prosperではこのシステムを特許出願している。

 Prosperは12日、この市場で行なわれている取引状況を毎月調査結果として公表することを発表した。2007年8月までに調達された資金量は5,660万ドル、平均借金額は6,969ドルだった。利回りは2007年8月の段階で最も信用度が高いプライムセレクトインデックスは9.41%、次に信用度が高いニアプライムセレクトインデックスは10.73%、最後のサブプライムセレクトインデックスは14.95%だった。

 米国経済で問題となっている住宅供給問題や信用破綻、サブプライムローン破綻などの問題によって借金が難しくなっている中、Prosperは魅力的な代替金融サービスとして注目を集めている。一方、貸す側もこの信用問題に影響を受けていることも明らかになった。特に信用度がサブプライムの資金量は2006年8月には全体の25%を占めていたのに対して、2007年までの1年平均では14%にまで下がり、問題が顕在化した2007年8月にはわずか9%にまで減少した。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.prosper.com/about/press_releases/2007/p2p_lending_market_survey_2007_08.aspx


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/09/14 11:43

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