独FAROOは17日、完全分散型P2Pサーチエンジンのベータテストを開始したと発表した。同社にメールを送ることによってベータ版クライアントソフトウェアをダウンロードできる。
通常サーチエンジンでは多数のサーバーを用い、クロールした内容をインデックスしてサーチエンジンを構築する。これに対してFAROOでは、クライアントソフトウェアをインストールしたユーザーが訪問したページが、そのままクライアント側にインデックスされるため、FAROOは一切のサーバーを必要としない。
このことは、サーバー構築や維持管理の費用を削減できるという金銭的なメリットがあるほかに、個人情報がすべてクライアント側に残るため、パーソナライズを行ないながらも、通常のサーチエンジンに比べてより高い匿名性が保てるというメリットもある。
また、ページランキング手法として、各ユーザーがより注目したページが高いランキングを得るというアルゴリズムを採用。FAROOでは、これが既存のサーチエンジンよりも民主的な方法であると主張する。そのためインデックスされた内容によってあらかじめページの表示順位が定まる既存サーチエンジンとは異なり、ユーザー(この場合、すべてのFAROOユーザー)の注目が上がれば上がるほど、ページの表示順位が上昇することになる。
FAROOのビジネスモデルとしては、検索連動型のペイパークリック広告が採用されている。また、このサーチエンジンのためにユーザーのリソースを使用することから、最大で50%をユーザーに還元することにしている。これはユーザーの意向により慈善団体に寄付することも可能だ。
P2P型サーチエンジンにはサーバー維持管理を必要としないという大きな魅力があるものの、多数のユーザーがまず最初にクライアントソフトウェアをインストールしなければならないという大きなハードルがあるのも事実だ。成功にはまだ越えなければならないハードルがいくつもありそうだ。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文、PDF)
http://www.faroo.com/download/FAROO%20Press%20Release%2009_17_2007.pdf
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/09/19 13:21
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