情報処理推進機構(IPA)は2日、2007年9月のウイルスおよび不正アクセスの届出状況を公表した。9月にIPAに寄せられたウイルスの届出件数は2,436件、ウイルスの検出数は約44万個といずれも前月から減少。9月にIPAに寄せられた相談の中では、ボットに感染したと思われる人からの相談が複数寄せられたとして、ボット感染の予防、早期発見、駆除を確実に行なうよう呼びかけている。
IPAでは、ウイルスと同様な手口でPCに侵入してPCを乗っ取る、「ボット」と呼ばれるプログラムの被害が増えているとして注意を喚起。ボットに感染したPCは、攻撃者が用意した指令サーバーなどに自動的に接続され、「ボットネットワーク」と呼ばれる攻撃用のネットワークの一部として組み込まれる。これにより、PCが迷惑メールの大量送信や特定サイトへの攻撃などに利用されてしまうほか、PC内の個人情報を盗み出される危険がある。
これまでのボットは、メールの添付ファイルを開くことによる感染や、脆弱性を突いた攻撃による感染が主な経路となっていたが、最近ではボットが埋め込まれたWebページを閲覧することによる感染が増えているとして、IPAがWeb上で公表している「ボット対策のしおり」などを参考にボット対策を行なうことを推奨。ボットに感染していると思われる場合には、IPAが参加する「サイバークリーンセンター」で配布している駆除ツールなどでボットを駆除するよう呼びかけている。
9月のウイルスの届出状況は、届出件数が2,426件(前月比13.5%減)、検出数が約44万個(11.4%減)。検出数1位のウイルスは「W32/Netsky」の約40万個で、依然としてNetskyが検出数の大半を占めている。
9月の不正アクセスの届出件数は10件で、そのうち実際に被害のあった件数は8件。被害届出の内訳は、侵入が2件、アドレス詐称が1件、その他が5件。侵入被害としては、Webサーバー上にフィッシング詐欺に悪用するためのファイルを設置された事例が挙げられている。
IPAが9月に受け付けた相談の件数は910件で、このうちワンクリック不正請求に関する相談が270件、セキュリティ対策ソフトの押し売り行為に関する相談が12件、Winnyに関する相談が4件などとなっている。
関連情報
■URL
コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況(9月分)について
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/09/04/16792.html
( 三柳英樹 )
2007/10/02 16:12
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