Mozillaの商業化を担当する営利団体のMozilla Corporationが、「Mobile Firefox」と呼ばれる携帯電話用Firefoxの開発に着手し始めていることが9日までに明らかになった。Mozilla Corporationの技術担当バイスプレジデントであるMike Schroepfer氏が自身のブログで発表した。
それによると、Mobile Firefoxは重要なプロジェクトとして立案されており、そのためにMozilla2のプラットフォームを利用することになる。これはMobile Firefoxが他のプラットフォームと比べておろそかにされることがないことを意味している。また、Mobile FirefoxではFirefoxエクステンションを実行でき、XULを使ったリッチアプリケーションを携帯デバイス上で開発・実行できる。
このプロジェクトを遂行するため、Mozilla Corporationでは新しい人材を雇用した。携帯電話用ブラウザ大手企業の1つであるOpenwaveブラウザ部門を率いていたChristian Sejersen氏と、France Telecom R&DのBrad Lassey氏で、両氏ともにMobile Firefoxに全時間取り組むことになる。
かつてMozillaプロジェクトではMozillaのコードをもとに携帯電話用ブラウザ「Minimo」を開発していたが、このプロジェクトはMozillaコードベースで携帯電話用ブラウザの開発が可能であることを実証し、目的を達したことを受けて、今後開発を継続することはしない。
この時期にMobile Firefoxの開発が発表された理由として、携帯電話のハイエンド機器の仕様が充実してきたことがある。フルブラウザを携帯電話で動かすには、64MB以上のメモリとかなりのCPUパワーを必要とする。最近のハイエンド携帯電話はこれらの条件を満たしつつあるとMozilla Corporationでは判断し、さらに現在のMozillaのコードベースにまだ改良の余地があることから、このプロジェクトが発表されるに至った。
Mobile Firefoxが公開される時期については明確にされていない。しかし大まかな時期として、Firefox 3のリリースより前ではないことがわかっている。Firefox 3はロードマップでは2007年11月ごろリリースされることになっていることから、Mobile Firefoxは2008年中に発表される公算が高そうだ。
関連情報
■URL
Mike Schroepfer氏のブログの該当記事(英文)
http://weblogs.mozillazine.org/schrep/archives/2007/10/mozilla_and_mobile.html
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/10/11 12:01
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