グーグルは6日、携帯電話向けプラットフォーム「Android」に関する説明会を開催した。説明会はビデオ会議形式で行なわれ、米Googleでモバイルプラットフォーム担当ディレクターを務めるAndy Rubin氏がAndroidのビジョンを語った。
● Androidは「インターネットと携帯電話の世界をつなぐもの」
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米Googleのモバイルプラットフォーム担当ディレクターを務めるAndy Rubin氏
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Androidは、携帯電話を動作させるために必要なOSやミドルウェアをまとめたオープンなプラットフォームとして、34社が参加する「Open Handset Alliance」が開発を進める。11月12日には開発者向けのSDKを公開し、2008年にはAndroidが搭載された携帯電話の発売を目指す。
Rubin氏はAndroidについて、「インターネットの世界と携帯電話の世界の橋渡しとなるもので、お互いの世界をつなぐもの」と説明。Androidを利用することで、モバイルの世界でもマッシュアップが可能となり、「例えばGoogle Mapsをサードパーティーが利用するといった、PCの世界で起きている革新がモバイルでも起こる」と語った。
Androidの構成については、「Linuxをベースとして、ミドルウェアやユーザーインターフェイスだけでなく、Webブラウザやメール、メッセンジャーなどのアプリケーションなどさまざまなモジュールを組み込めるプラットフォームだ」と説明。Linuxについてはカーネル部分のみを利用し、ライセンスとしてはApacheライセンスを採用するとした。
ただし、個々のモジュールについての説明などは今回は行なわれず、技術的な部分についてはSDKの発表の際にさらに詳しい発表を行なうと説明。12日に公開するSDKには端末のエミュレーションや開発ツールなども含まれるとして、SDKの公開によりユーザーからのフィードバックを得てさらに開発を進めていきたいとした。
● 携帯電話のビジネスモデルをオープンにすることでユーザーに選択肢を提供
Googleがなぜ携帯電話のプラットフォームの開発に携わるのかという質問には、「参加する企業の考えはそれぞれ違うと思うが、Googleとしては『世界中の情報を整理して普遍的にアクセスできるようにする』というGoogleのミッションに従ったものだ」と説明。PCでインターネットにアクセスできる環境のない人や、地下鉄の中やイベント会場などPCの使えない場所にいる人に対してもGoogleのサービスを提供することが目的であり、広告などのビジネス面でもアクセス機会を増やすことがメリットになるとした。
また、オープンなプラットフォームを推進する理由については、「特定の企業に依存した閉じたプラットフォームではなく、オープンなプラットフォームを提供することで、その上で様々なサービスが利用できるようになる」と説明。携帯電話のビジネスモデルをオープンソース型に変えていくことで、ユーザーに多くの選択肢が提供できるようになるとした。
Androidは、プラットフォームとしてはローエンドからハイエンドまで対応できるものだと説明。「ハイエンド向けには高機能なWebブラウザ、ローエンド向けにもメッセージングソフトなどのキラーアプリケーションが提供できる。モジュール型のデザインとなっているため、メーカーは必要なモジュールを組み込むことができる」とした。
また、Androidは当面は携帯電話向けのプラットフォームとして開発を進めていくが、将来的にはSTBなど他の分野にも応用していきたいと説明。日本市場に対しては、「消費者が新しい技術に対して好奇心が強く、Androidはそうしたニーズを満足させることができるのではないか」とコメントした。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.google.com/intl/en/press/pressrel/20071105_mobile_open.html
Open Handset Alliance(英文)
http://www.openhandsetalliance.com/
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・ Googleが携帯電話向けプラットフォーム「Android」を発表(2007/11/06)
( 三柳英樹 )
2007/11/06 15:29
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