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地底空間にデータセンター建設、サンやIIJなど12団体がプロジェクト


 サン・マイクロシステムズ、インターネットイニシアティブ(IIJ)、ベリングポイトの3社は14日、民間企業を中心とした12社・団体が参加して「地底空間トラステッド・エコ・データセンター・プロジェクト」が発足したと発表した。安全で安定した地底空間にデータセンターを建設することで、情報セキュリティの確保と全消費電力の50%削減を目指すとしている。サービス開始時期は2010年4月の予定。

 3社によれば、データセンターの電力消費量は2000年から2005年の間に2倍に膨れ上がっており、IT基盤に必要な電力消費量が近い将来、サーバーなどのハードウェアのコストを上回るとも言われているという。また、ITの普及に伴う電力消費量の増加が、地球温暖化など環境破壊の一因にもなっていると説明する。

 同プロジェクトは、データセンターを地底空間に構築することにより、地球温暖化を抑制するために大幅な省電力化を実現するとともに、世界最高レベルの高セキュリティ環境を実現することを特徴とする。

 プロジェクトが掲げる理想モデルとしては、まず空調設備の電力について、効率性の高い水冷を採用し、必要な冷水は自然の地下水を使用するとしている。これにより、従来のデータセンターの空冷ではIT機器1kwに対して空調用に0.7kwの電力が別途必要だったところを、0.4kwに削減可能だという。さらには、気温が冷涼で安定した地底空間にデータセンターを建設することで、空調の電力消費ゼロを目指すとしている。

 セキュリティ面では、地方にデータセンターを移して防災上の安全対策をとるほか、地下100メートルの耐震性に優れた岩盤に建設することで、地震などの災害からデータセンターを守るとともに、偵察衛星に発見されないとしている。このほか、鉱山掘削跡地などの産業遺産を再活用することによる地域産業振興への寄与も掲げている。

 同プロジェクトの事業化にあたっては新会社が発足する予定で、第1期工事の設備投資は450億円。なお、第1期工事では、サンが発表した移動可能なコンテナ型データセンター「PROJECT BLACKBOX」を30台採用することで調整中だ。

 プロジェクトに参加を表明している企業・団体は、上記3社のほか、伊藤忠テクノソリューションズ、SAPジャパン、新日鉄ソリューションズ、ソフトバンクテレコム、日本AMD、富士ゼロックス、NTTコミュニケーションズ、プラネット社、中央大学。また、国土交通省、経済産業省、総務省、環境省もアドバイザリーメンバーとして参加する。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2007/1114.html
  関連記事:サン、運べるコンテナ型データセンター「PROJECT BLACKBOX」国内初お披露目[Enterprise Watch]
  http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/hardware/2007/11/12/11601.html


( 永沢 茂 )
2007/11/14 13:26

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