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「情報セキュリティ教育事業者連絡会」が発足 |
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ISEPAは、情報セキュリティ人材育成体制の整備と支援制度の充実を目的として2007年10月1日に発足した組織。民間企業や関連団体など10団体が会員になっているほか、オブザーバーとして内閣官房情報セキュリティセンター、総務省、経済産業省なども協力している。事務局はNPO日本ネットワークセキュリティ協会（JNSA）に設置する。 ISEPAの与儀大輔代表は、「主なミッションは、セキュリティ分野で活躍できる人材育成を目的として各種セミナーや資格取得相談などの情報を発信すること。また、講師の育成や有資格者のキャリア登録なども行なう。さらに、中小企業支援にも注力したい」と話す。 「現状、高度な情報セキュリティの資格を持つ人は、大企業の社員が大半を占める。中小企業では専門知識を持っていない人がセキュリティ部門の担当になり、情報漏洩が起きている。そういった中小企業に対し、情報セキュリティの資格を持って活動している人がボランティアベースで支援できるようにしたい。」（与儀代表）
連絡会で必要とされる検討や成果物作成などについては、会員、アドバイザー、オブザーバーによりワーキンググループ（WG）を発足し、活動を行なう。当初は、「イベントWG」「スキルWG」「相互認証WG」の3つで開始し、その後必要に応じてWGを増設するという。 イベントWGでは、各種セミナーやイベントの開催、Web・出版などの広報を担当する。イベントは年間3～4回を予定し、ISEPAの成果物報告を行なう。このほか、資格認定組織のデータを基に、日本に存在する情報セキュリティ人材（資格保有者数）の把握も行なうという。 スキルWGでは、各団体が提供している資格の内容・試験をわかりやすく整理する。また、各教育プログラムの位置関係の提示や、共通知識基盤の設計と共有を行なう。「情報セキュリティの中でもいろいろな知識基盤がある。ベースが異なると、育成される人材・成果物も異なるので、共通の知識基盤を整理し、定義していく。」（与儀代表） 今後は、情報セキュリティ人材像の分析、定義付け、キャリアに結び付く人材育成マップを公開する。人材育成マップでは、職種ごとに必要な知識と成果物を抽出し、それに合った教育や資格を提示。2008年2月の公開を目指す。また、人材育成マップで抽出した職種を、実際のキャリアに照らし合わせて、キャリアパスとして提示する。 相互認証WGでは、資格継続プログラムの相互乗り入れなどを検討する。「資格の中には継続教育を求めているものがある。各資格が連携できていないために、資格を多く持つほど、その更新に時間と手間がかかっている。」（与儀代表）という。今後は、資格継続プログラム相互認証リストや資格取得要件リストの作成などを目指す。このほか、教育プログラムの品質維持にも努め、時代の変化に対応した知識が得られるようにするという。 与儀代表は、WGについて、「学校裏サイトやネットいじめなど、子供のインターネット利用に関するGWを設置したいという意見も出ている。WGは適時作っていくほか、各WGの参加には特に制限を設けていない。考えに賛同する人が多く参加できるように、広く門を開けて活動していきたい」とした。 また、ISEPAについて、「産官学が集い、これだけの規模で情報セキュリティ分野の人材育成を行なうことはかなりインパクトがある試み」とし、「わかりやすい教育体系・資格制度の公開や、求められるセキュリティ人材の安定育成を目指す。加えて、今後この分野に入ってくる後輩達がセキュリティ業界に夢を持てる環境構築に挑戦したい」と語った。 最後に、JNSAの下村正洋事務局長が、企業における情報セキュリティ対策の課題やJNSAの活動について説明した上で、ISEPAに期待するものとして、「皆が使えるものを作っていってほしい。情報セキュリティ分野においては、日本がリードしていくような教育の指針を出してほしい。今後、他の教育団体との整合性など課題は多いが、JNSAとしても協力していきたい」と述べた。
関連情報 ■URL 情報セキュリティ教育事業者連絡会 http://www.jnsa.org/isepa/
（ 野津 誠 ）
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