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「進研ゼミ中学講座」がWebと連動、ニンテンドーDS向けソフトも


 ベネッセコーポレーションは22日、Webと「ニンテンドーDS」を組み合わせた家庭学習サービスに参入すると発表した。従来の「進研ゼミ中学講座」の教材とWebを連動した通信講座「進研ゼミ中学講座+i」を2008年3月から、中学校の全学年・5教科の教科書に対応したニンテンドーDS向けソフト「得点力学習DS」全18タイトルを2008年1月に発売する。


動画解説や進捗管理でモチベーションを高める「進研ゼミ中学講座+i」

進研ゼミ中学講座+iのトップ画面

コンテンツは紙の教材と連動している
 進研ゼミ中学講座+iは、紙の教材による進研ゼミ中学講座に加え、教材の主要コンテンツをWebサイト上で学習できる。従来の紙教材だけの学習と比べ、Web上では音声・動画による解説を取り入れたり、正答率や学習時間など個人の進捗状況を把握することが可能で、能動的に学習に取り組めることが特徴だという。また、学習アドバイスを行なう「クラスコーチ」が、定期的に励ましのメッセージをメールで送り、学習の動機付けを高める。

 動画と音声を使った学習としては、例えば英語では、音声機能により発音を聞けるほか、ヘッドセットを使って自分の発音が正しいかをチェックすることが可能。理科では、実験の様子を動画で閲覧できる「実験シミュレーター機能」を提供する。ゲーム形式のコンテンツも用意する。また、各教科で間違えた問題を登録する「ニガテBOX」では、苦手な問題の把握・対策が可能となっている。

 Web上のコンテンツではこのほか、「将来役に立つ力」を自然に学べるよう配慮したという。英語では、会話中心のカリキュラムや音声認識機能により、実践英語を育成。さらに、問題解決能力やITリテラシーを高めるカリキュラム、マイクロソフトのオンライン百科事典「エンカルタ」などを利用できる。

 進研ゼミ中学講座+iの開講時期は2008年3月で、新中学1年生が対象。その後、順次対象学年を拡大し、2012年には進研ゼミ中学講座の全会員の加入を目指す。料金は、12カ月分一括払いで69,600円(月あたり5,800円)、6カ月分一括払いで37,020円(同6,170円)、毎月払いで月々6,800円。PC環境としては、Windows Vista/XP/2000、Internet Explorer 6 SP2以上、Adobe Flash Player 9.0以上が必要。


学習の進捗状況を把握できる 間違えた問題を自動登録する「ニガテBOX」

英語では音声を再生可能 理科では実験の様子を動画で閲覧できる「実験シミュレーター機能」を提供

場所や時間を選ばずにテスト対策ができる「得点力学習DS」

得点力学習DSのサンプル画面
 得点力学習DSは、英語・数学・国語・理科・社会の全18タイトルを発売。各ソフトは、自分が使っている教科書を選べる。タッチペンを使って書かせる問題を出題するほか、学校の試験に出題される「テスト範囲」を設定したり、回答履歴の中から間違えた問題を重点的に鍛える機能を備える。場所や時間を問わずに利用できることが特徴で、主に進研ゼミ中学講座+iの学習効果を補完する位置づけだという。

 ベネッセによれば、中学生のニンテンドーDS保有率は80%に上り、「すでに一般的なプラットフォーム化した。家庭の普及率も高く、保護者も受け入れやすい環境が整っている」(執行役員補モバイル事業開発部担当の田中隆章氏)。

 価格は1教科が3,990円、複数ソフトの内容を収録したパックソフトでは「中学地歴・理科パック」と「中3英数国公民」が各15,400円、「中1、1英数国」が11,550円、複数のパックソフトのセットでは、「中1セット(中1英数国パック、中学理科・地歴パック)」と「中2セット(中2英数国パック、中学理科・地歴パック)」が各24,990円。進研ゼミの非会員でも購入できる。


得点力学習DSの全ソフト

知識のインプットはWebが有効、アウトプットには紙が不可欠

学習効果に関する比較実験の結果
 ベネッセの調査によれば、紙とWebを組み合わせた学習を行なった場合、紙の教材のみの通信講座で学習した場合に比べて、学習後のテスト回答率の伸びが、平均25%上回る結果が出たという。また、近年では学習時間や学力の格差拡大、学習へのモチベーションの低下などが目立つとしている。

 こうした状況について同社代表取締役社長兼COOの福島保氏は、「学習に関する意識が変わる中、『勉強の仕方がわからない』『勉強しようという気持ちがわかない』という子供達が増えている」と指摘。進研ゼミ中学講座+iや得点力学習DSは、学習意欲を高め、知識を定着させる新たな学習サービスであると語った。

 同社執行役員デジタル事業開発本部長の的場一成氏は、「知識のインプットには、学習に能動的に取り組めるWebが有効。一方、知識を定着させてアウトプットするには、紙テキストで書き込むことが不可欠」と語り、紙の教材とWebによる「ブレンド型」通信教育のメリットを強調。また、この数年で紙媒体を取りやめ、Webに一本化することもないと話した。


代表取締役社長兼COOの福島保氏 執行役員デジタル事業開発本部長の的場一成氏

関連情報

URL
  ベネッセコーポレーション
  http://www.benesse.co.jp/

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( 増田 覚 )
2007/11/22 18:00

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