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多くの人が利用する中国の掲示板、ほとんどの人が日常的に書き込み


 中国のリサーチ会社iReserchは21日、「中国網絡社区研究報告2007(中国ネットワーク電子掲示板研究報告2007)」を発表した。

 同社の調査レポートによると、2006年末の1億3700万人のインターネット利用者のうちの92.0%にあたる1億2600万人が電子掲示板(以下掲示板)を利用している。CNNIC(China Internet Network Information Center)によると、2007年6月末の時点で中国には131万サイトが存在し、そのうちの80%に掲示板が付属するが、こうした掲示板が付属するページの成立年を見てみると、全体の半分近くにあたる45.3%が2007年に作られたページであり、遡ると2006年に作られたページが25.6%、2005年に作られたページが12.3%と、ほとんどがここ3年以内に立ち上がったサイトだという。

 掲示板のテーマ(複数回答可)は、トップ3が「生活情報(36.1%)」「映画音楽(31.6%)」「ゲーム・アニメ(25.1%)」。以下、10位までは、「ソフトウェア(22.5%)」「PCハードウェア(20.7%)」「文学(20.2%)」「女性向けファッション(16.3%)」「デジタル製品(15.9%)」「WEBサイト立ち上げ(15.6%)」「大学(15.0%)」となった。


1日数時間の掲示板の閲覧を行なう利用者も。利用者は広告の書き込みにもアクセス

中国のポータルサイト「新浪」の掲示板
 インターネット利用者が書き込み可能なサイトに訪れる1日平均の時間は、多かった回答順に「1~3時間(36.3%)」「3~6時間(33.8%)」「8時間以上(15.1%)」「6~8時間(10.9%)」「1時間以下(3.9%)」となった。有職者の利用する時間は全体より長めで、6時間以上利用する利用者は有職者全体の36.1%に達した。

 また掲示板でスレッドやトピックを立てたり、返信したりする書き込み頻度は、多かった回答順に「毎日1~4回(25.6%)」「何日かに1回(23.5%)」「毎日5~9回(18.5%)」「毎日16回以上(17.1%)」「毎日10~15回(13.3%)」となった。また一方で「一度も書き込んだことがない」と回答したのは僅か2.0%にとどまり、ほとんどの人が掲示板に日常的に書き込みを行なうことが判明した。

 掲示板を利用する主な目的(複数回答可)についての質問では、「問題の解決方法を探すため(74.8%)」が最も多く、以下「共有する趣味について討論するため(67.4%)」「情報を閲覧したいから(66.3%)」「生活や感じたことを共有したいから(49.3%)」「同業者と交流するため(36.2%)」「ある商品についての購入者の感想を知るため(27.4%)」が続いた。

 一方で、スレッドやトピックには、それと関係のない広告も多数書き込まれる。この広告に含まれるリンクに飛ぶ人は意外に多い。今年8月から9月にかけての2カ月間に、多くのサイトに協力してもらいテストのための広告を書き込んだところ、その2カ月の間に広告リンクに飛んだ回数を分析すると、全体の3.2%が「1回」、25.1%が「2~5回」、15.0%が「6~10回」、そして半分近くに及ぶ全体の45.2%が「10回以上」となった。一方「全く広告の書き込みのサイトにアクセスしなかった」のは全体の11.5%しかいなかった。

 その広告リンクに飛んだ理由(複数回答可)としては、多い順に「広告の商品が自身の要求していたものに関連していた(76.2%)」「広告の形式や独創性に惹かれた(56.0%)」「広告の商品のブランド(47.1%)」「スレッド・トピックの話題と広告の内容が関連していたため(33.0%)」という回答が続いた。


 掲示板利用者に対し、商品を購入するを決める要素について質問(複数回答可)したところ、「掲示板上の意見(61.7%)」が、各種広告や身近な人のお勧めを上回り最も影響力があることが判明した。2位以下は「身近な人のお勧め(57.9%)」「テレビ広告(57.5%)」「インターネットの広告(46.5%)」「雑誌広告(32.5%)」「新聞広告(31.5%)」「メーカーの製品紹介ページ(25.1%)」「戸外広告(21.7%)」「店舗のポスター(20.1%)」「ラジオの広告(15.5%)」「店員の薦め(15.3%)」となった。

 利用したい掲示板サイト(複数回答可)についての質問では、多かった回答順に「ベータ版ではなく正規版サイトであること(71.7%)」「スレッド・トピックの後での内容の修正が可能であるサイト(60.0%)」「アクセスが多いサイト(54.2%)」「スレッド・トピック数が多いサイト(54.0%)」「人をひきつけるテーマのあるサイト(53.5%)」「更新速度が速いサイト(39.4%)」という回答となった。

 掲示板利用者の多くが商品について利用者の反応を知るため掲示板を利用するが、掲示板を訪れるタイミングは、「商品やサービスに興味を持ったとき(45.5%)」「既に欲しい商品やサービスを購入済みのとき(40.1%)」の両回答に集中。以下は「商品やサービスの名前を聞いたとき(9.3%)」「購入意欲はないがなんとなく訪れる(3.6%)」などとなった。

 掲示板で調べる製品ジャンル(複数回答可)は、「PCおよびPC周辺機器やソフトウェア(76.4%)」「デジタル製品(76.0%)」の両製品ジャンルが突出して多く、以下「携帯電話(53.2%)」「書籍(31.0%)」「車と車のパーツ(30.1%)」「家電やAV機器(28.2%)」「プリペイドカードやバーチャルマネー(24.7%)」「ファッション(24.4%)」「インテリア(23.4%)」「化粧品(22.8%)」となった。

 同調査では掲示板サイトの管理人についての統計も行なっている。

 掲示板サイトの管理人の人数は、多い回答より「2~4人(36%)」「5~9人(15%)」「1人(14%)」「10~29人(9%)」「30人以上(4%)」となった。一方、全体の22%が「掲示板サイトのみの管理人は設けていない」と回答した。

 過去に掲示板のソフトウェアを変更したかという質問について「変更したことはない(40.0%)」が最も多く、以下「1回(24.5%)」「3回以上(20.4%)」「2回(14.4%)」となった。

 管理人が利用する検索サイト(複数回答可)では、「百度(83.9%)」と「Google(74.5%)」に人気が集中し、百度のほうが若干人気が上回る結果となった。一方、順位では3位の「ヤフー中国(12.8%)」の利用者は少なく、以下は「捜狐」「中捜」など百度以外の中国の検索サイトが続いた。


関連情報

URL
  中国網絡社区研究報告2007(中文)
  http://www.iresearch.com.cn/html/others/detail_report_id_49966.html


( 山谷剛史 )
2007/11/26 16:13

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