欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は3日、音楽や映像、ゲームなどのオンラインコンテンツ市場について、市場の活性化とさらなる発展のために、単一市場の創設の必要性があるとの見解を示した。
今回の提言では、EUにおいて単一市場を創設することによって、EU市民がインターネットや携帯電話などの機器を用いて音楽やテレビ番組、映画、ゲームなどのコンテンツにアクセスすることをより容易かつ高速に行なうことができるようにすることで、市場を活性化することができるとの認識が示された。そのためにはコンテンツ業界や通信事業者、インターネットプロバイダーなどが共同で、単一市場の創設に相互協力するべきとしている。
市場創設にあたっては、アクセスの容易性とともに著作権保護にも細心の注意が払われるべきとし、EU加盟各国をカバーする著作権ライセンスのあり方についても改善の余地があるとの認識を示している。
EU独自の調査によれば、このような単一市場を創設することによって2010年までに市場規模を4倍にまで拡大できる可能性があるとの結果も出ているという。逆の見方をすれば、現在EUは加盟各国ごとにオンラインコンテンツ市場が存在し、いわば規制のフラグメンテーションが起こっている状態。このような状態は、市場の発展を阻害することはあれ、促進することはないといえる。
5億人という市場規模を誇るEUだけに、IT産業のさらなる発展にこの市場を利用しない手はない。今後はコンテンツ産業がIT産業を牽引すると見られ、今回のEUの決定は将来を見据えたものといえる。EUの決定が他の地域に与える影響も大きそうだ。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/5&type=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
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・ EU、通信市場の単一化に向けて提言(2007/10/15)
( Gana Hiyoshi )
2008/01/07 14:27
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