Internet Watch logo
記事検索
最新ニュース

EUがMicrosoftに対して2件の調査開始、反トラスト法違反の疑い


 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は14日、米Microsoftに対して、市場の独占的地位の濫用による反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで調査を開始したと発表した。調査は独占禁止法に関するもの2件についてで、EC条約82条に基づく。1件はEuropean Committee for Interoperable Systems(ECIS)が提訴した事件に関するもので、互換性の問題が関与し、もう1件はOperaが提訴した事件に関するもので、複数のソフトウェアの抱き合わせの問題。

 互換性に関する問題では、Microsoftが関与した事件の判決で欧州の第一審裁判所が2007年9月17日、互換性の開示に関して独占的地位にある企業は公開を原則とするものと確認したことが関与する。ここでECISは、MicrosoftがOfficeなど広範な製品に関する互換性情報の開示を拒否したことを指摘しているほか、.NETフレームワークに関する情報開示を主張をしている。このことから、欧州委員会はこれらのすべての分野に焦点を当て、調査を行なう予定としている。これには、Office Open XMLが競合製品との互換性が担保されていない点についての問題も含まれるという。

 抱き合わせについては、2007年9月17日の判決で欧州第一審裁判所は、独占的地位にある企業は、不当に製品の抱き合わせ販売をしてはならず、特にInternet ExplorerをWindows OSと抱き合わせて販売することの違法性が問われた。これに加えて、ブラウザの開発において、Microsoftはアップデートするたびに互換性を減少させる「改悪」をしており、これも潜在的に競争を阻害する結果を生むと主張している。欧州委員会は、これらの分野についての調査を行なう。また、Windows Liveやデスクトップ検索などのMicrosoftによる抱き合わせについても調査対象に含まれるという。

 欧州委員会は、Microsoftが違法行為をしているとの明言を避け、単に条約上の根拠に基づく調査目的の行為を行なう予定であるとしている。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=MEMO/08/19&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en

関連記事
Microsoftの独禁法違反、EU一審が欧州委員会の決定を支持(2007/09/18)
Opera、「Microsoftのブラウザ戦略が不公正」とEUに提訴(2007/12/14)


( Gana Hiyoshi )
2008/01/15 15:05

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.