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小規模事業者向け「Office Live Small Business」、基本サービス無料化

マイクロソフトが正式運用開始

 マイクロソフトは6日、小規模事業者向けのインターネットサービス「Office Live Small Business」日本語版の正式運用を開始した。Office Live Small Businessでは、独自ドメイン名が利用可能なホスティングサービスやメールサービス、オンラインでの顧客管理、文書や予定の共有など、小規模事業者向けの各種インターネットサービスを基本サービスについては無償で提供する。利用にはWindows Live IDが必要となる。


ホスティングなど各種ネットサービスを無償で提供

「Office Live Small Business」の機能一覧。多数のサービスを標準機能として無料で提供
 Office Live Small Businessは、小規模事業者向けの各種インターネットサービスをパッケージ化して提供するオンラインサービス。個人でも利用は可能で、利用にはWindows Live IDが必要となる。

 サービス内容としては、Webホスティングサービス(標準容量500MB)や、オンラインのWebページ作成機能、メールアドレスを標準で100個まで利用できるメールサービス、文書やスケジュールなどが共有できる専用ワークスペース、グループウェア、顧客管理機能などを、基本サービスについては無償で提供する。また、有料のオプションサービスも用意する。

 ドメイン名については、登録時点でOffice Liveのサブドメイン(*******.****.officelive.com)の利用が可能。また、独自ドメイン名の利用も可能で、「.com」「.net」「.org」「.info」については無料で登録が可能(2年目以降は年額2,020円)。汎用JPドメイン名の登録も可能(年額9,440円)なほか、既に取得しているドメイン名の利用も可能となっている。

 Webホスティングサービスについては、容量は無料で500MBまで利用でき、有料で容量の追加も可能(1GB:月額670円、2GB:月額1,210円、5GB:月額2,020円)。Webブラウザ上でページを作成できるオンラインのデザインツール機能や、ページの訪問者などを集計するトラフィックレポート機能を備える。オンラインのデザインツール機能では、テキストや画像などをGUI操作で編集できるほか、Windows Liveスペースのブログ情報を取り込む機能などが用意されている。

 メールサービスについては、無料で100アドレスが利用できる。メールアドレスの仕様はWindows Live Mailに準じる形で、メール容量は1メールアドレスあたり5GBまで利用可能。Webメールとしての利用のほか、追加モジュールのインストールによりOutlookとの連携も行なえる。

 企業内での作業に向けた機能としては、各種文書や画像などを共有できるSharePointをベースにした専用ワークスペースを用意。ワークスペースの容量は50MB、ユーザーアカウントは5つまでで、それぞれ有料で追加も可能。また、日本で独自に開発したグループウェア「GroupBoard 3.0」や、Webページのフォームと連携できる顧客管理機能を備える。

 サポートについては、オンラインヘルプとメールサポートを無料で提供するほか、電話サポートについても登録後30日間は無料で提供する。

 マイクロソフトでは、Office Live Small Businessの正式サービス提供開始に伴い、希望者に対して小冊子「あなたの仕事を成功させる4つのヒント」と、サービスの使い方を解説した冊子「できる Office Live はじめてガイド」が含まれるスターターキットを無料で提供する。申し込みはマイクロソフトのWebから行なえる。


Webページ容量500MB、メールアカウント100個を標準で提供 文書などの共有ワークスペース、日本独自開発のグループウェアなども提供

Webページのオンラインデザインツール。ページの編集がGUI操作で行なえる グループウェア「GroupBoard」の画面

オンラインヘルプとメールによるサポートの他、電話サポートも登録後30日間無料で提供 使い方解説「できる Office Live はじめてガイド」を含むスターターキットを希望者に無料配布

ベータ版ユーザーからのフィードバックを得てサービスを見直し

 マイクロソフトでは、Office Live Small Businessを2006年12月からベータ版(当初の名称は「Office Live」)として提供し、これまでに日本国内で約24,000社、全世界では約50万社の利用があった。

 ベータ期間中では料金に応じてサービス体系が3種類のラインナップとなっていたが、正式サービスはこれを1本化。多くの機能を標準の無償サービスとした上で、追加オプションなどを有償で提供する形とした。

 また、ベータ版ではドメイン名の登録が必須となっていたが、ドメイン名は持ちたくない、既に持っているドメイン名を利用したいといった意見を反映して、ドメイン名の登録は任意で行なえるように変更。また、WebブラウザもFirefoxでの利用に対応するなど、ベータ版のユーザーから得られたフィードバックを元にしてサービスを見直し、今回正式サービスとして開始した。

 マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部の鍵山仁一氏は、Office Live Small Businessのビジネスモデルについて、管理画面への広告配信と有償サービスの複合モデルで、基本サービスについては無償でユーザーへの提供が可能になったと説明。広告については、中小規模の企業ユーザー向けにターゲットを絞った形での配信が可能な広告媒体として展開していきたいとした。

 また、Office Live Small Businessのサービスは、中小規模の企業や個人事業主に共通する基本的なサービスを提供するもので、さらなる追加機能についてはマイクロソフトからの提供のほか、業種別ソリューションなどはパートナーと協力して提供していきたいとした。

 なお、Office Live Small Businessは、IT部門を持たない中小規模企業や個人ユーザーを対象としたサービスとなるが、米国ではより規模の大きい企業向けの「Microsoft Online Service」がベータテストを開始している。また、WordやExcelの文書をオンラインで共有できる「Office Live Workspace」も英語版のベータサービスを開始しており、これらのサービスについても日本での展開を現在検討中だとした。

 Office Live Small Businessは、「Office」という名称の付いたサービスだが、WordやExcelなどのOffice製品は必要とせず、Webブラウザのみで利用可能なオンラインサービスとなっている。この点について鍵山氏は、「例えば顧客情報のAccessやExcelとの連携機能など、Office製品があればさらに便利に使えるサービス」と説明。サービス開始後もさらにユーザーからのフィードバックを反映して、サービスを強化していきたいとした。

 今後については、6月中旬にフィードバックを踏まえて機能のブラッシュアップやバグフィックスを予定。また、ベータ版からのユーザーについては、5月31日にベータユーザーの無料ベータ期間を終了し、6月1日から有料部分に該当するサービスへの課金を開始する。


ベータ版では3種類あったラインナップを1本化し、基本機能は標準で搭載し無料提供 ビジネスモデルは広告とサブスクリプションのハイブリッド

規模の大きな企業や高度な要件に対応する「Microsoft Online Service」の日本展開も検討中 Office文書の共有サービス「Office Live Workspace」についても日本での展開を検討

【編集部注】2009年 8月19日追記
 当初、「ベータプログラムから参加しているユーザーのドメイン維持費用は今後もマイクロソフトが負担する」と発表されたが、その後ポリシーが変更され、2009年10月2日(米国では10月1日)以降はユーザーが年間更新料を負担することになった(マイクロソフトのFAQ参照)。ドメイン更新時に、.com、.net、.org、.infoドメインについては2020円/年、.jpドメインについては2390円/年のドメイン更新料がかかる。


関連情報

URL
  Office Live Small Business
  http://www.microsoft.com/japan/smallbiz/officelive/
  ニュースリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3377
  関連記事:米Microsoftが企業向けホスティングサービスを拡大、ExchangeとSharePointも提供[Enterprise Watch]
  http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/foreign/2008/03/04/12392.html

関連記事
MS、Office文書をネットで共有できる「Office Live Workspace」ベータ版(2008/03/05)
マイクロソフト、「Office Live」日本語ベータ版を開始(2006/12/11)


( 三柳英樹 )
2008/03/06 16:37

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