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「OpenIDと対立するものではない」、リバティ・アライアンス日本SIG


バティ・アライアンス日本SIG共同議長の田中伸桂氏
 アイデンティティ管理コンソーシアム「Liberty Alliance」の日本分科会(リバティ・アライアンス日本SIG)は17日、最新の活動状況について記者説明会を開催した。

 Liberty Allianceは、ユーザー認証技術の標準化を目指す業界団体。会員企業・団体は世界で160以上になる。日本SIGは2003年に発足し、日本におけるLiberty技術の普及促進活動を行なっている。

 Liberty Allianceでは、複数のWebサービスにシングルサインオンできるユーザー認証技術「Liberty Identity Web Services Framework(ID-WSF)」の仕様を公開している。同様の技術としては、OpenIDやCardSpaceなどがある。

 リバティ・アライアンス日本SIG共同議長の田中伸桂氏(NEC第一システムソフトウェア事業部)は、「OpenIDとLibertyでは、対立する仕様のように思われがちだが、ケースバイケースで最適な技術を使いながら、相互に連携できるようにすることが重要」とコメントした。


リバティ・アライアンス日本SIG共同議長の高橋健司氏
 同じく共同議長の高橋健司氏(NTT情報流通プラットフォーム研究所)は、「我々は、『協調』『オープン』『信頼』の3本柱で活動を行なっている」とし、具体的な取り組みを説明した。

 Liberty Allianceは、認証技術の相互運用を目指すプロジェクト「Concordia Project」(2007年2月設立)に参加している。同プロジェクトでは、異なる認証技術を連携させた利用シナリオと要件を抽出し、それを実現するための技術的課題を解決、仕様の導入を行なう。説明会では、抽出した最新シナリオを紹介した。

 また、Liberty Allianceがスポンサーとなっているオープンソースコミュニティ「openLibertyプロジェクト」(2007年1月設立)の動向を説明。3月10日に、ID-WSF 2.0クライアント機能を実装したライブラリ「OpenLiberty-J」がリリースされたほか、今後は、OpenLiberty-Jに対する相互運用テストへの参加などを予定する。

 さらに、ID情報の信頼性を保証するためのフレームワーク「Liberty Identity Assurance Framework」について説明。クレデンシャル(身元を保証する情報)の確からしさを4つのレベルで規定しているほか、各レベルを満たすための手順の評価基準や、評価の実施モデル、フレームワークの運用体制を規定している。

 6月には、インターネット上のプライバシーについて、産官学の識者で討論し、課題を洗い出すための「Privacy Summit」を日本で開催する。2007年から開始されたPrivacy Summitは、過去、ワシントンDCなどで5回行なわれており、日本では今回が初めてになるという。


活動の3本柱 抽出した利用シナリオ数

利用シナリオの例 ID情報の信頼性を保証する4レベル

関連情報

URL
  リバティ・アライアンス日本SIG
  http://wiki.projectliberty.org/index.php/JapanSIG
  関連記事:オンライン認証技術団体のLiberty Alliance、新仕様のドラフトを公開
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0416/liberty.htm


( 野津 誠 )
2008/03/17 20:13

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