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イー・アクセスの千本倖生取締役会長
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イー・アクセスは19日、アッカ・ネットワークスが3月7日に実施した自己株式の取得取引に対して、これを問題視する質問状を送付していた件について、アッカから18日に回答を受け取ったとして、記者会見を開催した。イー・アクセスの千本倖生取締役会長は、アッカからの回答は不十分であるとして、現経営陣に対して株主代表訴訟の検討に入ったことを明らかにした。
アッカでは、3月6日に固定価格取引による自己株式の買い付けを行なうと発表。7日に三井物産が保有するアッカの株式12,820株を1株15万円、総額19億2,300万円で取得した。これに対して、アッカの筆頭株主であるイー・アクセスは、この取引は実質的な相対取引であり、相対取引については株主総会決議を必要としている会社法に違反するものだとして、取引についての質問状をアッカに対して11日に送付していた。
イー・アクセスの千本会長は、18日にアッカから送られてきた回答を説明。回答は、「実施した自己株式取得はジャスダック取引所の規則に従った市場取引であり会社法に違反していない」「売付申込数量が買付数量を超えたら按分するしくみで、相手方は特定されていない」といったもので、ルールや仕組みといった形式論に終始していると主張。イー・アクセスが問題視している、株主平等の原則や全株主をフェアに取り扱おうという意識が薄いのではないかという問いかけに対して、なんら回答していないとした。
こうしたことから、アッカに対しては現経営陣の木村正治社長、湯崎英彦副社長、廣野公一取締役と、今回の取引相手である三井物産から派遣されていた社外取締役の佐藤元信氏、社外監査役の垣内彰氏に対して、株主代表訴訟の検討に入ったことを明らかにした。佐藤氏と垣内氏は、3月17日付でそれぞれ「一身上の都合により」としてアッカの取締役と監査役を辞任している。
また、新経営陣候補の須山勇氏に対しては、3月28日に開催予定のアッカの株主総会の場において回答を求める質問状を送付。今回の自己株式取得は株主の利益を害しており元に戻すべきという点と、株主の利益保護についての考え方を明確化すべきという点を問うとしている。
千本会長は、「夕方に買い付けを発表して、翌朝に19億円超の取引をしているという今回の取引の実態は、すべて予定されていた相対取引であったと言わざるをえない」とコメント。こうした取引を、役員を派遣している三井物産と行なったことは、その他の株主の利益を損ねる行為だとして、取引を元に戻すよう呼びかけていくと説明。また、アッカの株主に対しては、「ぜひとも株主総会に参加して、新経営陣がこの問題にどう対処するのかを注目していただきたい」と呼びかけた。
また、三井物産から派遣されていた取締役と監査役が3月17日に辞任したことにも触れ、「当社からの質問状の回答期限としていた3月18日の前日、任期まであと10日ほどというタイミングでの辞任は明らかに異例。これは憶測でしかないが、なにかやましいところがあるのことではないか」と語り、責任を追及していくとした。
さらに千本氏は、アッカの自己株式取得取引と同時刻にイー・アクセスも買い注文を出そうとしたが、ジャスダック市場から断られたという経緯を説明。断られた理由には法的根拠が無く、「世界のルールが日本の市場にも適用されなければいけない。平等でフェアにやっていただきたい」とコメントした。
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アッカへの質問内容
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アッカからの回答
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イー・アクセスはアッカからの回答は不十分と評価
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株主代表訴訟を準備し、取引を元に戻すよう求めるとともに、株主の扱いについて新経営陣に考え方を質すと説明
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現経営陣への株主代表訴訟を検討するとともに、新経営陣に対して取引を元に戻すよう求める
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新経営陣に対しては、株主対応の明確化を株主総会の場で求める
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.eaccess.net/cgi-bin/press.cgi?id=720
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・ イー・アクセス、アッカの自己株式取得に対して質問状を提出(2008/03/11)
( 三柳英樹 )
2008/03/19 19:04
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