P2Pによるコンテンツ配信を手掛ける米BitTorrentと米大手ケーブルネットワークのComcastは27日、両社がリッチメディア配信によって生じているネットワーク渋滞問題を解決するために、建設的な話し合いを行なっていることを明らかにした。
米国では、P2Pトラフィックが増加した結果、一部のISPがP2Pトラフィックを遮断するなど問題が表面化しており、インターネットの中立性の問題にも関連して議論となっている。
今回、P2Pによるビジネスを展開している大手企業であるBitTorrentと、大手ケーブルネットワークのComcastが話し合いを行なっていることは、この問題の解決に貢献すると考えられ、大きな意味を持つ。
両社の話し合いによって、Comcastは2008年末までにプロトコル非依存なネットワーク帯域管理技術を導入することを表明した。Comcastでは、この手法は現在のインターネットトレンドに合致したトラフィック管理テクニックであり、さらにテクニックを改良して手法を公開する計画だとしている。
一方、BitTorrentは、当初ISP側がP2Pトラフィックに対して取った方法について理解を示した。そして、リッチコンテンツが増え、インターネットの帯域幅が要求される状況に、Comcastが合わせようとしている姿勢を高く評価した。
BitTorrentとComcastは、他のISPやテクノロジー企業、IETFなどと協力し、リッチメディアコンテンツの効率的な配信を行なうための新しい配信アーキテクチャーを開発することでも合意した。BitTorrentでは、クライアントアプリケーションを新しいブロードバンドネットワークアーキテクチャーのために最適化し、最適化手法をオープンフォーラムや標準規格団体に向けて公開し、他のアプリケーション開発者も利用できるようにする。
また、BitTorrentとComcastは、こうした問題を解決するために政府の介入は必要でなく、企業同士の話し合いで解決できるとの意見も表明している。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.bittorrent.com/about/press/comcast-and-bittorrent-form-collaboration-to...
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/03/28 17:05
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