JR東日本は31日、長期的な経営構想「グループ経営ビジョン2020-挑む-」を発表した。
同ビジョンでは、経営上の変革を伴う7項目を「7つのギアチェンジ」として提示しており、その中の新事業への挑戦を掲げた項目においてWiMAXに言及している。「WiMAX通信サービスにより、動画広告や移動する車内での通信サービスの提供など、新たな事業展開をめざす」という。
WiMAX活用のサービスイメージとしては、駅や鉄道沿線に基地局を設置。線路の保守作業員の端末と各種情報をやりとりしたり、駅構内のデジタル広告に情報を伝送するといったものが、WiMAXの導入で実現の可能性がある利用方法として挙げられている。また、列車とも接続し、車載カメラで線路の状況を撮影・送信したり、メールやインターネット、動画配信、Suica決済など車両内の無線通信サービスも盛り込んでいる。さらには街中におけるSuica端末の無線対応化も挙げている。
ホーム駅員の情報端末との接続や、自動販売機のデータ吸い上げ、車両内に設置したディスプレイにCMなど配信する「トレインチャンネル」といった、WiMAXと別の方式ですでに実施中のものについても、WiMAXのサービスイメージの中に含まれている。
このほか、Suica事業を経営の第3の柱として確立することもギアチェンジの1項目に掲げている。2010年度には首都圏エリアでのSuica・PASMOの利用率90%を目指す(2007年12月現在、約70%)とともに、電子マネー利用件数1日あたり800万件を実現する(2008年2月末現在、Suica・PASMO・ICOCA合計で1日あたり最高約92万件)。
関連情報
■URL
グループ経営ビジョン2020-挑む-
http://www.jreast.co.jp/investor/gv2020/index.html
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( 永沢 茂 )
2008/03/31 20:07
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