ドワンゴは8日、美少女ゲームの世界を再現した3D仮想空間「ai sp@ce(アイスペース)」を2008年夏に公開すると発表した。ユーザーはアバターを操作し、ゲームのキャラクターと共同生活が楽しめる。街で他のユーザーとチャットすることも可能。クライアントソフトは無償ダウンロードでき、アイテム課金を予定する。
● ゲームキャラと過ごす仮想空間
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アイスペース内
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アイスペースでは、「CLANNAD」「SHUFFLE!」「D.C.II ~ダ・カーポII~」といったゲームの世界を3D空間で再現する。各世界を結ぶ街として、東京・秋葉原をモデルにした「アキハバラ島(仮)」も用意する。
ユーザーには、自分の分身となる主人公アバターと、ゲームキャラクターのアバター「キャラドル」が与えられる。キャラドルとの会話や着せ替え、動きの設定などが可能になる予定で、キャラクターを自分好みにカスタマイズしていく“育成”要素も盛り込まれている。
また、アイスペースのデモ画面では、開発中の初音島(ゲームの舞台)を披露した。島は150~200平方メートルのスペースに再現され、時間・季節により景色が変化する。ユーザーは土地を購入して、家を持つこともできる。アキハバラ島では、ビルや看板が細かく描写されていたが、「サービス開始時は白い建物が並んだ状態にする」ことで著作権に配慮し、「企業の出店を募ることも検討する」という。
さらに、動画上にコメントできるサービス「ニコニコ動画(SP1)」とも連携する。アニメ関連のコンテンツを配信するコンテンツ「ニコニコアニメチャンネル」に専用コーナーを設け、アイスペースユーザーがプレイ動画をアップロードできる機能なども予定する。このほか、アキハバラ島のデモ画面には、ニコニコ動画で配信している「ニコニコニュース」が視聴できる街頭ビジョンも用意されていた。
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着せ替えは自分・キャラドルともに可能
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キャラドルと暮らす家を持つことも
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初音島の一部
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アキハバラ島
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秋葉原駅
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実際の店舗も再現されていた
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● ファンにとっては夢のような世界
アイスペースは、ドワンゴをはじめ、オンラインゲームメーカーのヘッドロック、ゲームのイベントプロモーションなどを行なうブシロードなど5社による「ai sp@ce製作委員会」が共同で開発・運営を行なう。参画するコンテンツメーカーはビジュアルアーツ、オメガビジョン、サーカス。
ドワンゴ取締役副社長の太田豊紀氏は、「2006年にサーカスの松村プロデューサーやブシロードの木谷社長から、美少女ゲームに特化した仮想空間の構想を聞いたことが企画の発端」と説明。「当時はPC向けサービスをあまりしていなかったので、いろいろと検証していたが、その後ニコニコ動画が出てきたことで、ドワンゴのPC向けサービス提供が現実味を帯びてきた」と経緯を述べた。
ヘッドロック代表取締役の岡田信之氏は、国内におけるMMOの歴史を説明した上で、「不正行為の対策にかけるコスト増大や内容のマンネリ化」を現状の問題点として指摘。「MMOの成功には、キャラクターへの愛着や自分の居場所を見つけることが重要」とし、「アイスペースはコミュニティであるため、MMOに見られる問題は少ないし、人気キャラが最初からいるのでユーザーが定着しやすい。成功の条件は揃っている」と説明した。
また、ビジュアルアーツは、「仮想空間上に作品世界を再現することで、CLANNADの世界に浸ってもらえる。作品の世界にずっといたいというユーザーの願望を実現できるため、ファンにとっては夢のような世界」とコメント。オメガビジョンは、「バーチャルな世界で作品のマルチメディア展開をさらに発展させていきたい」と話した。このほか、サーカスは、「ゲームは2Dのため、3Dでどれだけ再現できるのか疑問を持っていたが、実際に動いている画面を見て、再現性に驚いた。アイスペースが新しいメディアとしてユーザーに浸透してほしい」と述べた。
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ニコニコ動画が後押し
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MMOの問題と可能性
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左からブシロードの木谷代表取締役社長、ドワンゴの太田取締役副社長、ヘッドロック岡田代表取締役
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ライセンサー各社の開発者と公式コスプレイヤー
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関連情報
■URL
ai sp@ce
http://ai-sp.jp/
ニュースリリース(PDF)
http://info.dwango.co.jp/pdf/news/service/2008/080408.pdf
( 野津 誠 )
2008/04/08 19:31
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