ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(以下WDLC)は11日、設立後の活動成果報告と今後の展開について記者発表会を開催した。2008年の夏商戦に向け、WDLC参加企業が連携する合同販促キャンペーンなどを明らかにした。
● 異業種間で積極的な交流を図る
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登壇者一同
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WDLCは、国内のPCメーカーや周辺機器メーカー、ソフトメーカー、コンテンツプロバイダー、サービスプロバイダー、放送事業者などが協力して、ハード・ソフト・サービスが相互に連携した「デジタルライフスタイル」の利用推進を行なうため、2007年11月9日に発足した。
WDLC会長代理として登壇したマイクロソフト業務執行役員の佐野勝大氏は、「ネットワークの普及によりユーザーのライフスタイルが変化・多様化したため、1つの業界でそれに対応することが難しくなった。業界が連携して取り組むためにWDLCを設立した」と説明。会員企業は設立時の48社から66社に増え、「今後も異業種によるディスカッションを積極的に行ないたい」とした。
WDLCでは、ユーザーの利用シーンを研究する「シナリオ分科会」、シナリオをユーザーに提案するためのマーケティングを行なう「共同マーケティング分科会」、業界の枠を越える各種テーマに関して参加各社の連携を深める「業界間連携協議会」といった3つのグループを軸に展開している。発表会では、各グループの活動報告および今後の取り組みについて、グループの代表(座長)が説明を行なった。
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WDLC会長代理マイクロソフトの佐野業務執行役員
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WDLC組織概略
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● シナリオ分科会内の活動状況
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シナリオ分科会
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シナリオ分科会の中には、「PCライフ分科会」「ゲーム分科会」「デジタル家電連携分科会」「ユビキタス利用分科会」が設けられている。
PCライフ分科会の栗山浩一座長(NECパーソナルプロダクツ ユビキタス事業本部長)は、「これまでの勉強会で分析したシナリオの具現化に努めたい」とコメント。ゲーム分科会の氏家朋成座長(マウスコンピューターマーケティング部長)は、「日本は海外に比べるとPCゲームが普及していない。さまざまな問題を解決することで、初心者・中級者が気軽に楽しめるPCゲームを提供したい」と述べた。
また、デジタル家電連携分科会の森辰夫座長(ソニーVAIO事業本部企画戦略部門企画部統括部長)は、「デジタル家電は既存技術の延長でありながら、ユーザーには認知されていない。業界一丸となってアピールしていきたい」とコメント。ユビキタス利用分科会の磯辺祐司座長(富士通パーソナルビジネス本部ソリューション開発統括部長)は、「ユーザーが外にPCを持ち出してインターネットを利用する上での懸念点を払拭して、利用シーンを提案するための議論を続けていきたい」と述べた。
このほか、WDLC事務局長の勝俣喜一郎氏(マイクロソフト業務執行役員)は、シナリオ分科会について、「ターゲットユーザーが、どのようなシーンで、何をすることによりデジタルライフスタイルを充実してもらえるかを洗い出して、各分科会で議論。利用を動機付けるためのソリューションやインフラ、製品、サービスについて議論している」と補足した上で、「目的は、PCを中心にしたデジタルライフスタイル層の拡大、利用場所の拡大、およびさまざまな機器との連携を目指す」とコメントした。
● 今夏はPCでのテレビ視聴を促進
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PC de TVは5月9日開始。全国の家電量販店で順次展開
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共同マーケティング分科会は、2008年夏の合同販促キャンペーンとして、「TVも、ネット動画もサクサクきれい!『PC de TV』」を発表した。
勝俣氏は、「マイクロソフトの調査によると、今後、ユーザーがPCでやりたいことのトップはテレビ視聴や録画だった。また、今後発売されるPC(夏モデル)で可能なことをユーザーに提示した結果、PCでテレビを見ることに魅力を感じてもらえた」と企画の経緯を説明した。
ユーザーへの具体的な提案は3つ。1)大画面テレビにつなげるPCのありかた、2)PCとテレビを融合したテレビPCの楽しみ方、3)テレビを外でも楽しめるモバイルPCの楽しみ方。これらについて、ユーザーに対し普及促進活動を行なう。夏の合同プロモーションに参加する企業は、WDLCに参加する66社のうち、PCメーカーや周辺機器メーカー、コンテンツプロバイダー、販売パートナーの合計33社となる。
参加企業の1つ、ヤフー事業推進本部デジタルホーム事業室長の坂東浩之氏は、「ヤフーが目指すのは、ネットサービスを通してユーザーの生活が便利になること。その意味で、WDLCの活動はヤフーの企業理念に近く、参加することを決めた。また、ヤフーのサービスをいつでも、どのデバイスからでも利用できる『Yahoo! Everywhere構想』としてもWDLCにおいて積極的に活動していきたい」とコメントした。
このほか、アイ・オー・データ機器の開発本部市場開拓部長の土田托氏は、「PC de TV」キャンペーンにあわせたガジェットを開発すると発表した。同社のPC用ワンセグチューナーに対応したもので、番組表機能や番組表から簡単に録画予約できる機能を用意する。5月下旬からダウンロード提供を開始する。加えて、コーレル代表取締役社長の田中俊輔氏は、同社のビデオ編集ソフトおよびDVD再生ソフトで合同プロモーションに参加すると説明。メーカーを越えたPCの利活用を提案する情報サイト「デジらいふ」も開設すると発表した。
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利用者へのアピールポイント
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夏のプロモーション参加企業
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● 在京キー局がガジェットを提供、夏モデルPCにプリインストール
業界間連携協議会内テレパソ協議会の笠原健司座長(マイクロソフトデジタルエンターテイメントパートナー統括本部長)は、「地デジとPCの連携を考えるために、在京キー局やマイクロソフトなど8社が集まって、勉強会などを行なっている」と説明。その成果として、在京キー局はWindows Vista用のガジェットを開発・提供する。
NHKは、すでに提供開始している「NHK時計」ガジェットで参加する。ロゴがNHKオンラインにリンクしている。日本テレビは、ニュース番組「日テレNEWS24」のガジェットを提供。ニュースの画像をクリックすると、日本テレビのサイトで詳細情報を閲覧できる。TBSもニュースのガジェットを提供する。
フジテレビは、イメージキャラクター「ラフ」のガジェットを提供する。画面内のラフをクリックすることで、さまざまなアニメーションが楽しめる。テレビ朝日のガジェットは動画ニュースを視聴できる。時計や番組表、ゲーム機能を備えるほか、番組サイトのアクセスランキングなども閲覧できる。テレビ東京は、公式アニメサイト「あにてれ」のガジェットを提供。時計やゲーム機能などを用意する。
これらのガジェットはPCメーカーの夏モデルにプリインストールされる。オンラインでは、NHKと日本テレビがすでに提供開始しており、他局も順次自社サイトで提供するという。
また、笠原氏は、「今後は地デジとの連携が課題。それについても近い将来に何らかの発表をする」と述べた。
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在京キー局のガジェット
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実機での表示例
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テレビ朝日の高機能なガジェット
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テレビ東京はアニメ番組特化のガジェット
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3413
( 野津 誠 )
2008/04/11 19:53
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