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NTT、人体の表面で通信する技術を製品化


「レッドタクトン」の通信イメージ
 NTTとNTTエレクトロニクスは23日、人体の表面を伝送路とする通信技術「レッドタクトン(RedTacton)」を製品化したと発表した。「触れる」「踏む」といった動作だけでIDデータを送信して、認証・開錠を行なう入退室管理システムなどに利用できる。

 NTTのマイクロシステムインテグレーション研究所が基盤技術を開発し、NTTエレクトロニクスが「Firmo(フィルモ)」として製品化した。Firmoでは、ポケットやかばんなどに携帯した名刺サイズのカード「Firmoキー」(送信機)によって、データ信号を変換した微弱な交流電界を人体の表面に誘起。その人物がドアノブなどを握ることで「Firmoリーダ(受信機)」が電界を検出し、データ信号に変換する仕組みだ。

 導電体・誘電体であれば伝送路の素材を選ばないため、人体のほか、動物、水、金属なども伝送路になるという。また、無線のように信号を空間に向けて広く放射しないため、触れた時にその相手とだけ通信するなど、他との干渉がなく空間分解能の高い通信が実現するとしている。

 今回の製品ではオフィスのセキュリティを主な用途としており、低消費電力で230kbpsの性能がある。今後、映像や音声などのデータのために10Mbps以上の高速通信が可能な製品についても研究を進めているという。

 Firmo評価キットは、Firmoキー5個、Firmoリーダ1個、受信用タッチプレート1式などで構成され、価格は1セット80万円。6月末より出荷する。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.ntt.co.jp/news/news08/0804/080423a.html

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( 永沢 茂 )
2008/04/23 20:55

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