欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は6日、スペインのテレビ放送における広告規制がEU指令に違反しているとして、第2段階の警告書(reasoned opinion)を送付したと発表した。
この欧州指令とは、国境のないテレビ放送に関する指令(TVWF)。その中で示された広告規制については、その趣旨を引き継ぎこのほど成立した、2007年12月の「国境のない視聴サービス指令」においても維持されている。この指令に基づき、スペインに対して、2007年7月から違反に対する警告措置が開始された。
この指令では、欧州域内での放送自由化に耐えうる水準を維持するために、テレビ放送における広告を一定以下に抑制しようというものであり、広告およびテレビショッピング放送の時間を1時間あたり12分までと規制している。
スペインは、度重なる指導にもかかわらず、国営放送・民営放送ともに広告規制を行なうことを怠っているという。欧州委員会の情報メディア担当委員であるViviane Reding氏は、今回の警告書の送付によっても状況に改善が見られない場合は欧州司法裁判所に提訴する予定であるとしている。Reding氏は、いわゆるテレビプロモーションや広告に名を借りた論説なども規制対象であるとしている。
今回の警告書は、スペインにおける2005年5月・6月の2カ月間のモニター結果と、2005年7月から2006年7月まで各月1週間ずつ抽出したサンプル調査での平均に基づいているという。その中で、同指令の規制の趣旨に誤解があり、「スポット広告」の概念を狭く解しすぎていたことから、テレビプロモーションや広告に名を借りた論説が同指令の基準では広告に該当し、1時間あたり17分の広告時間と判断された。その結果、2007年7月にスペイン当局に対して第1段階の警告書が送付され、2007年10月31日に回答がなされたものの、EUの広告基準には同意しないとの見解が示されていたという。
今回の警告書は、新指令に基づくものだが、EU当局および加盟国では新指令への移行手続きを早急に進めているという。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/700&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
( Gana Hiyoshi )
2008/05/07 16:51
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