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Google Earthの利用動向も反映、ネットレイティングスが新視聴率システム


ネットレイティングス代表取締役社長兼ニールセン・オンラインチーフアナリストの萩原雅之氏
 ネットレイティングスは23日、「Nielsen Online」が提供するインターネット利用動向調査サービス「NetView」を2008年10月にリニューアルすると発表した。新システムでは、家庭内に加えて職場での利用動向を合計したデータを標準指標とするほか、ブラウザ以外のアプリケーションの利用動向を調査することなどが可能となる。

 新システムではまず、調査対象となるパネルの規模が、従来の2万人から4万人に拡大する。具体的には、無作為抽出による「RDDパネル」に加え、モニターを募集する「メガパネル」を採用。メガパネルは「ヘビーユーザーが多くなる傾向があるため、深いデータが抽出できる」(同社広報)という。メガパネルは調査対象の偏りを補正した後、RDDパネルに統合される。これによりサンプル数が増え、訪問者の少ないサイトや個別のサイトについても、従来以上に詳細な分析が行なえるとしている。

 インターネット利用動向の標準指標では、新たに職場における利用動向データを追加する。従来は家庭内の利用動向データが標準指標となっていたが、職場の利用を反映することで、これまで以上に正確な実態を反映できるという。

 「これまで家庭内での利用が事実上のデフォルトだったため、職場での閲覧比率が高いビジネス系のニュースサイトなどは過小評価されがちだった。今後はフェアな評価が可能となる。」(ネットレイティングス代表取締役社長兼ニールセン・オンラインチーフアナリストの萩原雅之氏)。


パネル規模は従来の2万人から4万人に拡大。無作為抽出による「RDDパネル」に加え、モニターを募集する「メガパネル」を採用する 標準指標は「家庭+職場」がデフォルトになる。従来は「家庭」がデフォルトだった

 また、ブラウザの行動をトラッキングする従来の仕組みに加えて、インスタントメッセンジャーソフトや音楽管理ソフト、ガジェットなどのアプリケーションをトラッキングできるようになる。

 これにより、SkypeやiTunes、Google Earthなど多様なアプリケーションをブラウザと同じ指標で比較できるとしている。「もはやブラウザだけがメディアではない。例えばグーグルの利用動向では、Google Earthを含めた数値も反映されるため、今まで以上にグーグル利用者の全体像が浮かび上がるだろう」(萩原氏)。


ブラウザ以外のアプリケーションも測定可能になる Google Earthの利用も、Googleのコンテンツとして反映される

 利用動向の集計方法では、新たに「チャネル集計」と「ブランド集計」を導入する。例えば、マイクロソフト関連サイトでは、マイクロソフト全体の利用動向に加えて、チャネルとして「Microsoft」と「MSN/Windows Live」を集計。また、ブランドとしてMSN/Windows Live内にある「MSN Homepage」や「MSN/Windows Live Messenger」などを個別に集計できる。

 さらに、ドメインやサブドメイン、ディレクトリ、ページレベルに関係なく、1つのサービスとして集計可能となる。例えば、複数のサブドメインで構成される「Yahoo!オークション」や「Yahoo!ショッピング」などはこれまでサブドメインごとのデータが抽出されていたが、集計レベルに配慮する必要ががなくなったことで、複数社が提供する同一カテゴリのサービスを比較することが容易になるとしている。

 なお、新システムへの移行は2008年10月を予定し、これを反映したレポートは11月以降に反映される。さらに今後は、ブログ解析システムや携帯電話サイト解析システムを導入する予定。特に携帯電話向けシステムについては、萩原氏自身も「mixiではPCではなく携帯電話でチェックしている」と語り、携帯電話経由のインターネット利用が増えている現状を踏まえると、早々に提供する必要があるとの考えを示した。


集計方法では「チャネル集計」と「ブランド集計」を導入 新システムの導入と今後の予定

関連情報

URL
  ネットレイティングス
  http://www.netratings.co.jp/


( 増田 覚 )
2008/05/23 19:41

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