楽天は3日、有害情報対策のための議員立法案について、与野党が基本合意して今国会に法案提出するとの新聞報道に対して、「表現の自由との関係などにおいて依然として憂慮すべき点がある」などとする声明を発表した。
声明では、報道されている与野党合意の案について、有害情報の基準策定や判断に対して国は関与しないとされているが、一方で有害情報の例示は法律で定め、民間機関が有害情報の具体的な基準を定めるとされており、民間機関での基準策定がどのように行なわれるかや、当該機関の登録制度により国が実質的に基準策定に影響力を及ぼしうるのかなどが不明で、国による実質的な情報統制(検閲)の危険性は払拭されていないと指摘している。
また、有害情報を法律で例示し、それに基づいて関係者に義務・努力義務を課すことは表現の自由を侵害する恐れが高く、適切ではないと主張。情報が有害かそうでないかの判断は人の価値観に依存しており、そうしたものに基づいて、義務や閲覧防止措置などの努力義務を法律で一律に課すことは、たとえ努力義務であっても表現の自由を侵害する恐れが高く、慎重であるべきと考えるとしている。
携帯電話事業者に対しても、青少年の使用する携帯電話についてフィルタリングを使用させる義務付けをしていることも、問題が大きいと指摘。現状では不備が多く、保護者による個別判断を反映できないフィルタリングの使用を義務付けるのは、利用者を混乱させるだけであり、十分な説明を聞いたうえでの保護者の判断という適切な手続きを経ることが担保されない恐れがあるとして、懸念を表明している。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.rakuten.co.jp/info/release/2008/0603.html
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( 三柳英樹 )
2008/06/03 18:25
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