富士通研究所は10日、紙や電子データ内の機密情報を部分的に暗号化し、許可された人だけが暗号化された領域を閲覧できる技術を世界で初めて開発したことを明らかにした。この技術により、印刷物や電子データを配布する際に、個人情報漏洩を防ぐ必要のある部分のみを暗号化することが可能となり、文書のセキュリティが大幅に向上するとしている。
今回開発したのは、画質劣化後も復号を可能にするという画像変換を加えた暗号化技術。画像をパズルのように区切り、位置を入れ替える「画像スクランブル」をベースにしている。これにより、高いセキュリティを確保したまま印刷できるほか、非可逆圧縮後も復号できるとしている。
紙媒体の情報は、スキャンで電子データ化したものであれば暗号化可能。暗号化が施された紙媒体についても、スキャンして電子データ化すれば復号できるという。富士通研究所によれば、紙媒体を電子データ化して暗号化を施す技術はこれまでも存在していたが、暗号化された紙媒体を復号できる技術は世界で初めて。
このほか、富士通研究所によれば、閲覧者の権限に応じてドキュメント内の閲覧可能領域を変えられる技術についても、世界で初めて開発した。これにより、セキュリティを確保しながら、さまざまな権限の人が1つのドキュメントを共有することが可能になったという。
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今回開発した技術による暗号化・復号の流れ
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2008/06/10.html
( 増田 覚 )
2008/06/10 19:40
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