Internet Watch logo
記事検索
最新ニュース

民主党の「児童ポルノ禁止法改正案」では「取得罪」新設、盗撮も処罰


 民主党は11日、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律を改正する法律案(児童ポルノ禁止法改正案)」の骨子を中間報告として発表した。同日、民主党の“次の内閣”の閣議で了承し、近く正式な法案にまとめ、臨時国会での提出を目指すとしている。

 民主党の案では、まず「児童ポルノ」という用語を「児童性行為等姿態描写物」に改める。同法が「風俗犯罪処罰法ではなく、あくまでも児童に対する性的搾取・性的虐待から児童の権利を保護するための法律であることを明確にする観点」からだという。

 また、児童ポルノの「取得罪」を新設する。これは、現行法で児童ポルノの提供や公然陳列などを禁止しているのに加えて、「要件を限定しつつ、提供目的以外の児童ポルノの取得等につき、罰則を設ける」ものだ。ただし、「所持一般」を処罰することは「捜査機関による恣意的な捜査につながりかねず、結果として、個人の私的な領域に対して公権力が不当に介入するおそれを完全には払拭し切れない」とし、金銭のやり取りを伴う「有償」の取得行為と「複数回(反復性)」の取得行為に限定するとした。これは、インターネット経由も含まれる。

 自民党の森山眞弓・衆議院議員らが10日に衆議院に提出した与党案で、単純所持まで処罰対象としているのに比べると、民主党案は対象が限定されることになる。ただし、全般的に罰則を1段階ずつ引き上げることとしている。

 提供目的以外の児童ポルノの製造に関しては、現行法では、児童に児童ポルノの姿態をとらせた上で写真撮影などを行なった場合のみを処罰対象としており、盗撮により児童ポルノを製造した場合は処罰されないという。この点について、盗撮など、児童に児童ポルノの姿態をとらせない場合についても、「被写体となった児童の心身に有害な影響を及ぼしているといえる」として、処罰対象に含める。

 このほか、被害者の児童の保護に関する施策の見直しを盛り込んだことも、民主党案の特徴だ。一方、与党案で盛り込まれていた、インターネット事業者における送信防止措置の努力義務や、漫画やアニメなども規制対象として調査・検討することなどについては今のところ触れられていない。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=13495

関連記事
「児童ポルノ禁止法改正法案」衆議院提出、漫画・アニメは3年後めどに検討(2008/06/12)


( 永沢 茂 )
2008/06/12 20:07

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.