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「Google Map Maker」公開、Wiki的手法で地図を編集


Google Map Maker
 米Googleは24日、地図の編集機能「Google Map Maker」を公開した。これは、ユーザーが自分のよく知っている地域の地図を編集できる機能だ。地図の製作作業にWikipediaのようなWikiの手法を持ち込んだものといえる。

 現時点では、Google Map Makerで全世界の地図を編集できるわけではない。編集できる地域は現在、パキスタン、ベトナム、アイスランド、キプロスのほか、ケイマン諸島やグレナダ諸島、バミューダ諸島などを含むカリブ海の国々など、合計18カ国に限定されている。これらの地域では地図の情報量や精度が十分でなく、Google Map Makerを使う意義があると考えられた。

 これらの地域で地図を編集するためには、この地域に関する詳細な知識がなければならないとされている。しかし、あくまで自己申告に基づくもので強制力はない。

 該当地域の地図を拡大していくと、地図を編集するためのメニューが画面上に表示される。ここから、建物の外形を描いたり、ピンポイントで飲食店や公園、湖、道路、さらにはガソリンスタンドや電話ボックスに至るまで、詳細に書き込むことができる。

 書きこまれたデータは、Google Map Maker上には即座に反映されるが、「Google Maps」などGoogleの他のサービスに反映されることが保証されているわけではない。とはいえ、一部のデータはGoogle Mapsなどで利用されることもあるようだ。データの反映状況は、以下に述べるモデレータ機能やGoogleの技術的・政策的ポリシーも影響する。

 できるだけ正確な地図を製作するために、モデレータ機能が用意されている。これらの地域に住んでいた経験があるなど、自分が地図を編集できるほど詳しいと考える場合には、地域を指定してモデレータに就任できる。その場合、他の人が書き込んだデータを判定できる。しかし、自分が書き込んだデータを判定することはできない。Googleではモデレータ向けのガイドラインを公開し、できるだけ品質の高い地図を製作できるよう試みている。

 地図を製作するという作業は、歴史上の偉人たちが試みてきた最も労力のかかる作業のひとつといえるかもしれない。Googleは、群衆の知恵を利用してこの作業を大幅に簡略化しようとしている。当然のことながら、間違った書き込みやいたずらも頻発するだろうが、モデレータ機能などにより、どこまで正確な地図が製作できるかどうか注目される。


関連情報

URL
  Google Map Maker(英文)
  http://mapmaker.google.com/
  ニュースリリース(英文)
  http://www.google.com/intl/en/press/annc/mapmaker_20080624.html
  Google LatLong公式ブログの該当記事(英文)
  http://google-latlong.blogspot.com/2008/06/making-your-mark-on-world.html


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/06/25 13:40

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