健常者が携帯電話で打ち間違いをしたり操作ミスをする場合の行動パターンが、視覚障害者がデスクトップPCで行う操作ミスと極めて似ていることがわかった。英マンチェスター大学の研究者グループが、Engineering and Physical Sciences Research Council(EPSRC)の資金援助を受けて行った研究によるものだ。
研究によると、健常者の携帯電話利用者において、何度も同じキーを押し間違える、画面の間違った部分をクリックする、スクリーンを複数回クリックしてエラーを引き起こす、ドラッグ&ドロップする際に間違えるといった傾向が見られたという。
こうした問題は、視覚障害者がデスクトップPCで行う際によく見られることで、すでによく研究されている。その結果、視覚障害者を支援するためにWindowsやMac OSのためにプログラムが開発され、提供されてきている。
携帯電話利用者が行う間違いと、視覚障害者がデスクトップPCで行う間違い方に強度の相関関係が見られたため、視覚障害者向けに開発された技術を携帯電話利用者向けに応用する可能性が開けてきた。
研究を行ったTianyi Chen氏は、「障害を持ったPCユーザー向けにすでに開発されたソフトウェアは、自動的に間違ったコマンドを訂正することができ、テキストメッセージを間違ってキャンセルしたり、電話の上に座ってしまって間違って誰かに電話をかけてしまうというような嫌な出来事を減らす助けになるだろう」とコメントしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.manchester.ac.uk/aboutus/news/display/?id=3791
研究論文(英文)
http://hcw-eprints.cs.man.ac.uk/51/
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/07/02 13:15
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