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日本IBM、視覚障碍者のWebアクセシビリティを促進する試み開始


ソーシャルアクセシビリティプロジェクト
 日本IBMは8日、視覚障碍者のWebアクセシビリティを促進する試み「ソーシャルアクセシビリティプロジェクト」を開始した。同プロジェクトには無料で誰でも登録でき、専用のツールをダウンロードして参加する。

 「ソーシャルアクセシビリティプロジェクト」では、インターネット上で一般のユーザーと視覚障碍を持ったユーザーが協力してWebサイトのアクセシビリティ向上を目指す。参加者は専用のツール「ソーシャルアクセシビリティコラボレーションソフトウェア」を使用する。

 「ソーシャルアクセシビリティコラボレーションソフトウェア」では、視覚障碍が不便に感じたWebサイトの報告と、一般ユーザーが報告のあったサイトを改善するためのサポートが行える。報告のあったサイトは、「ソーシャルアクセシビリティプロジェクト」のサイトで確認できる。

 具体的には、視覚障碍者が、読み上げ機能付きのブラウザを使っていて「写真が掲載されているようだが、どんな写真かわからない」「目的のページにたどり着けない」など、アクセスしたWebページで理解できない個所があった際、専用ツールで「ソーシャルアクセシビリティプロジェクト」にメッセージを送信する。

 送信されたメッセージは、プロジェクトサイトに表示される。表示を見た一般ユーザーは、報告された問題に対して、「写真注釈:夕日に映える富士山」などの適切な情報を専用ツールで付加し、「ソーシャルアクセシビリティプロジェクト」のサーバーに登録する。

 その後、視覚障碍者が当該ページにアクセスすると、プロジェクトのサーバーに登録された付加情報が自動的に読み込まれ、掲載された写真を理解できるようになるという。実際のWebページのコンテンツに変更を加えることなく、短時間で問題を共有・改善できる点が特徴とされている。

 日本IBMでは、「ソーシャルアクセシビリティプロジェクト」の試作Webサイトを「ソーシャルアクセシビリティコラボレーションソフトウェア」とともに、「IBMアルファワークスサービス」の一環として公開した。現在は英文サイトのみだが、「日本語ページも早急に用意したい」(日本IBM広報)とのこと。なお、「IBMアルファワークス」では、IBMの各研究所で開発中の最新技術を開発者向けに提供している。「研究所に視覚障碍を持つ研究員がいる。その研究員の経験が元で今回のプロジェクトを開始した」(日本IBM広報)という。


関連情報

URL
  ソーシャルアクセシビリティープロジェクト(英文)
  http://services.alphaworks.ibm.com/socialaccessibility/
  ニュースリリース
  http://www-06.ibm.com/jp/press/2008/07/0802.html


( 野津 誠 )
2008/07/08 17:41

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