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受信者を怒らせる手法のスパムが登場、MessageLabs月例調査


 MessageLabsは、2008年6月におけるスパムメールやセキュリティなどに関する月例レポートを公表した。6月には、新規にブロックした悪意のあるサイトの数が58%増加し、2007年4月以来の最高水準に達したとしている。

 レポートによれば、6月のメールトラフィック中に占めるスパムメールの割合は76.5%で、5月からは0.3ポイント減少した。地域別では、スイスが世界で最も多くのスパムメールを受信しており、スパムメールの割合は84.8%に達している。その他の国は、米国が68.8%、英国が74.3%、ドイツが73.5%、中国が76.6%、日本が70.7%など。

 Webベースのマルウェアについては、捕捉したマルウェアのうち31.4%が6月になって新たに発見されたもので、MessageLabsではこうしたプログラムが潜んでいる新たなWebサイトを1日平均2076件特定しており、この件数は5月に比べて58%増加したという。

 また、スパム送信に多く用いられたStorm Wormのボットネットについては、Windows UpdateによってStorm Wormへの対策が進んだことなどから、規模が縮小。スパムの送信者は他のボットネットへの移行を余儀なくされており、競合ボットネットの「Srizbi」の利用がスパム全体の約40%を占めているとしている。

 スパムメールの手法としては、「what a stupid face you have(あなたってなんて愚かな顔)」などの個人を侮蔑する内容によって受信者を立腹させるという、これまでにない変わったスパムメールが見られたことを紹介。このメールでは、本文には検索サイト「Dogpile」へのリンクが含まれており、このリンクからマルウェアを配布するサイトにリダイレクトさせる、Googleの「I'm Feeling Lucky」リンクの悪用方法と類似した仕組みが用いられていたとしている。

 また、別のスパムメールでは、米民主党の大統領候補であるバラック・オバマ氏などの名前が含まれる性的な見出しを多数用意し、有名人に言及することで受信者がリンクをクリックするように仕向けていたという。このメールは、リンク先にはポルノサイトのページが表示され、実態はマルウェアである「video.exe」をダウンロードするよう求められており、捕捉されたメールの量はこの期間に送信されたスパム全体の18%以上を占めていたという。


関連情報

URL
  MessageLabs
  http://jp.messagelabs.com/

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( 三柳英樹 )
2008/07/09 18:08

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