G DATA Softwareは16日、「北京五輪中止」と偽り、「Storm Worm」に感染させようとする英文メールが大量に出回っているとして注意喚起した。Storm Wormに感染したPCは、ボットネットの一部に組み込まれる恐れがあるという。
この英文メールは、「Beijing Olympics cancelled, move to Atlanta(北京五輪中止、アトランタ開催へ)」という件名で送られている。メール本文に記載されたURLのリンク先はポルノ動画サイトで、動画を見るためには「Video ActiveX Object」が必要であるというエラー画面が表示されるという。
ユーザーはこの指示に従って「OK」をクリックしてしまうとマルウェアに感染し、Storm Wormのボットネットに組み込まれる恐れがある。また、別の手口として、メール本文に記載されたURLのリンク先にアクセスしただけでマルウェアに感染する事例もあるとしている。
G DATAによれば、Storm Wormは春先には沈静化したものの、7月以降は「第三次世界大戦勃発」を偽るメールでStorm Wormに感染させようとするなど、再び活発な動きを見せているという。今回発見された「北京五輪中止」の英文メールは、推定で数百万通に上ると指摘している。
活発化するStorm WormについてG DATAは、「犯罪者は誰もが興味をひきそうなニュースやポルノ動画を『餌』にして、マルウェアの感染率を上げ、自分たちのボットネットの拡張に励んでいる」と説明。ユーザーに対しては、セキュリティ対策ソフトを導入するとともに、怪しいメールを削除することを推奨している。
関連情報
■URL
G DATA Software
http://www.gdata.co.jp/
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( 増田 覚 )
2008/07/16 14:08
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