欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が行っている調査・執行活動「Sweep」に基づく、携帯電話サービス提供サイトに関する調査結果がこのほど発表された。加盟27カ国およびノルウェイ、アイスランドにおける調査対象558サイトのじつに80%において、EU消費者規則に違反する疑いが見いだされ、再調査の対象となっていることが明らかになった。
調査によれば、特に児童・青少年を対象にしたサイトで規則違反となっているものや、価格その他の契約条件が不明確なもの、取り引き業者に関する情報提示の問題、ミスリードを誘発する広告などが見つかったとされている。
調査対象の80%にあたる466サイトが、各国当局の再調査を受けるとしている。多くのサイトは複数の不正行為をしているという実態も明らかになった。50%に相当する279サイトが児童を対象とし、漫画やテレビのキャラクターなどをサイトに掲載しており、保護者の同意を必要としている。そしてこのうち80%のサイトに不正行為が見いだされたとして再調査される。
不正行為には種々あるものの、そのうち50%近くにあたる268サイトには、価格の情報に関する不正行為が見いだされた。特に、本体価格と手数料その他の料金との関係が明記されておらず、消費者は、通信料金を通じて支払う段階になって初めて料金がわかるというものもあるという。税金が含まれているかについても、不明なサイトが多いという。定期購読が申し込まれる場合も、その旨が不明なサイトが多かったという。
70%以上に相当する399のサイトでは、取り引き業者に関する情報が欠如していた。例えば、名称や、現実の住所などに実際に連絡をしたい場合の連絡先がないかまたは不十分なサイトが多かったという。これは、EUのeCommerce指令に違反するとされている。
また、60%以上に相当する344のサイトでは、ミスリードするような情報が存在した。例えば、重要情報が非常に小さな文字などで表記されていたり、「フリー」という表現であるにもかかわらず、将来的には何らかの負担をさせられるケースなどがあったという。
EUでは今後、各国当局を通じて各サイトを再調査し、問題が改善されない場合は法的措置を執り、罰金ないしサイト閉鎖の強制処分が行われるという。2009年前半までにこれを実行するとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/1169&type=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
( Gana Hiyoshi )
2008/07/22 13:27
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