沖電気工業は24日、自分の声を音声合成できるソフト「Polluxstar(ポルックスター)」の提供を開始した。口調や抑揚など、その人の肉声に近い音声で文章を読み上げることができるという。Windows Vista/XPに対応し、個人使用向けPC版が標準価格105万円。
沖電気によると、日常生活で使われる言葉をコンピュータで合成して自然に発話させるには、音声データベースを構築するため、正確に発声された大量の音声データを収集する多大な労力が必要だったという。これに対して沖電気では、一般の人が発声する必ずしも正確でない音声データを無理のない量収録した場合でも「自分の声」が再現できることを目指した。
Polluxstarでは、1話者分の音声データベースを構築し、その音声を合成するソフトを提供する。あらかじめ用意した標準原稿とユーザーごとのカスタム原稿により、合計約60分相当の音声データを収録。決まり文句や親しい人への呼びかけなど、その人らしさが最も表れる特定のフレーズも事前に登録できる。入力データは漢字かな混じりテキスト、出力データはモノラルの16kHz/16bitリニアPCMオーディオファイルとなる。
沖電気では、病気や事故によって声を失う人や発話障害が発生する人が年間1万人にも上ることから、本人や家族の生活を支援するためにPolluxstarを販売することにした。病気で声帯を摘出されることになった大阪芸術大学の牧泉教授が手術前に音声データを収録し、Polluxstarを使って講義を再開した事例もすでにあるという。
なお、企業におけるビジネス用途についても別途相談に応じるとしており、ブログの執筆者の声で読み上げるコンテンツや、館内アナウンスなどにも活用が考えられるとしている。
Polluxstarの製品紹介サイトでは、収録した原音とPolluxstarによる合成音を聞き比べられるサンプルも公開している。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.oki.com/jp/press/2008/07/z08050.html
製品紹介
http://www.oki.com/jp/ap_plat-u/polluxstar/
( 永沢 茂 )
2008/07/24 18:02
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