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「フォルダ」が「フォルダー」に、マイクロソフトが長音表記を変更


内閣告示ルールに基づいた長音表記に変更
 マイクロソフト株式会社は7月25日、外来語に由来するカタカナ用語末尾の長音表記を、内閣告示ルールに基づいた表記に準拠すると発表した。今後提供される製品・サービスの次期バージョンより適用される。

 同社ではこれまで、JIS記述ルールや学術用語への準拠のほか、これらに規定されていない用語について「2音の用語は長音符号を付け、3音以上の用語の場合は(長音符号を)省くことを“原則”とする」主旨の規定に則した表記ルールを採用していた。この表記ルールは、自然科学/工学系のほか、学術論文の分野で利用されている。

 カタカナ用語末尾の長音表記については、このJIS記述ルール以外に、1991年6月28日の内閣告示第二号をベースにしたルールが存在する。この内閣告示ルールでは、英語由来のカタカナ用語において、末尾が-er、-or、-arで終わる場合に長音表記をつけることが推奨されている。こちらの表記ルールは、新聞や放送などで利用されている。


長音表記の参照可能なルール 学術・JIS記述ルール 内閣告示ルール

CTOの加治佐俊一氏

告知方法と変更スケジュール
 今回の表記変更について、同社CTOの加治佐俊一氏は、「昔はハードウェアやソフトウェアの制約などもあり、1バイトの扱いが貴重だった。しかし、今では容量も増え、画面の解像度も高まり、そうした問題は解消している。また、PCが日常必需品になってくるにしたがい、テレビや新聞で使われている表記との違いが目立ち、違和感が増大しているという背景もある」と説明。また、「読み上げソフトなどにおいて、長音をつけている方がより自然な発音になるなど、アクセシビリティ向上にもつながる」と述べた。

 今回の表記変更により、「コンピュータ」は「コンピューター」に、「プリンタ」は「プリンター」に、、「フォルダ」は「フォルダー」に変更される。なお、「ソフトウェア」「スケジューラ」「プロセッサ」などは慣例に基づいて長音表記はつかない。

 今回の表記ルールは、次期バージョンの製品・サービスより適用され、直近では、8月に公開予定のInternet Explorer 8 ベータ2より適用される。なお、Windows Updateやサービスパックなどで表記ルールを適用することはないとのこと。

 説明会には、テクニカルコミュニケーター協会会長で東京学芸大学 教育学部 教授の岸学氏も出席。同協会はマニュアルなどの品質向上を目指す活動を行っており、カタカナ表記検討のワーキンググループを2000年に結成。語尾の長音表記に関するガイドラインを2004年に発表するなどの活動を行っている。岸氏は今回のマイクロソフトの長音表記変更について、「ガイドラインに沿った形で変更していただくことは非常にうれしいこと。これを機に、他の企業でもガイドラインに沿った表記を採用されることを期待したい」と述べた。


関連情報

URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3491
  マイクロソフト日本語スタイルガイド
  http://www.microsoft.com/language/ja/jp/download.mspx


( 福浦一広 )
2008/07/25 16:55

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