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ネットスターのフィルタリングDB、カテゴリ分類に疑問の声?


 Webフィルタリング用のURLデータベースを構築しているネットスターが7月下旬、「フィルタリングのカテゴリ分類情報サイト」を開設。URLを入力することで、そのサイトが同社のデータベース上で何のカテゴリに分類されているか確認できるサービスを開始した。しかし、「Yahoo! JAPAN」が登録されていないなど、ユーザーからは疑問の声も上がっているようだ。


「http://www.yahoo.co.jp/」が登録されていない?

「http://www.yahoo.co.jp/」のカテゴリ確認結果ページ
 実際に「http://www.yahoo.co.jp/」というURLを入力してみると、「登録されていません」との結果が表示される。日本で最も有名と言えるサイトが登録されていないということで、データベースの網羅性や信頼性に疑問も生まれる。ネットスターのデータベースは携帯キャリア各社のフィルタリングサービスで採用されているだけに、もし不備があるとすれば、その影響は広範囲に及ぶ――。

 これに対してネットスターでは、Yahoo! JAPANをはじめ国内の大手ポータルサイトのトップページはデータベースに登録していないとし、サイトをディレクトリごとに分割して、各ディレクトリの内容に応じて細かくカテゴリ登録していると説明。その理由として、「ユーザーの心配事につながるページはカテゴリ登録するが、それ以外は登録しない」という同社の方針を挙げる。

 大手ポータルサイトのほか、企業サイトのトップページも同様のスタンスで対応している場合がある。データベースのカテゴリに当てはまらない企業サイトを無理に分類すれば、フィルタリングポリシーによっては、特に問題のないサイトにも全くアクセスできなくなる可能性もある。従って、トップページはカテゴリ登録せず、例えばその中の求人ページのみを「転職・就職」カテゴリに登録するといったやり方をとっているという。

 また、「Yahoo!ジオシティーズ」などの無料ホームページサービスのトップページも登録しておらず、個々のホームページについて内容に応じて登録。さらに、掲示板やブログ、SNSなどでは、まずサービス全体のトップページを「掲示板」などのカテゴリに登録した上で、個々の掲示板やブログなどを内容に応じてカテゴリ分類している。中には、ワンクリック詐欺への誘導ブログなど「違法と思われる行為」カテゴリ、違法薬物の売買が行われている掲示板など「違法と思われる薬物」カテゴリに登録されるような例もある。

 一方、ポータルサイトでも、出会い系などサイト全体が同じ内容のコンテンツで構成されている場合は、サイト内を細かく分類せずに、全体として「出会い・異性紹介」カテゴリで登録しているという。

 Yahoo! JAPANのトップページの件など、サイトが登録されていない件についてユーザーからの問い合わせも寄せられていることから、ネットスターでは8月12日、カテゴリ分類の結果表示ページにおいて、「分類結果『登録されていません』とは?」というFAQへのリンクも追加した。

 サイトが登録されていない場合は、Yahoo! JAPANのトップページと同様に、ディレクトリレベルでカテゴリ登録されている場合があることのほか、そのサイトがネットスターの定めるカテゴリ一覧に当てはまるものがない場合、目視確認が終わっていないなど分類作業中の場合、サイト訪問者数が相対的に少ないなど分類候補データとしてネットスターの作業対象になっていない場合もあるという。


コミケの公式サイトは成人向けサイト?

 このほか最近になって一部ブログなどでは、「コミックマーケット(コミケ)」の公式サイトが「成人嗜好」カテゴリに登録されているなどの不備の指摘があった(このあたりの状況は、「スラッシュドット・ジャパン」でも8月11日付でトピックになっている)。

 ネットスターのURL分類作業は、まず自動巡回やキーワード検索、迷惑メール収集、公的機関との協力、ユーザーからの通報などで得た材料に対して、サイト内容を自然言語処理技術で判定。その後、選任担当者が目視確認を行い、再分類しているという。


ネットスターにおけるURLリスト分類作業の流れ

 ネットスターによれば、「フィルタリングのカテゴリ分類情報サイト」を公開した背景には、「わかりにくい点の多い携帯フィルタリングについて、少しでも開かれたものにしたいという狙い」があったという。サイト管理者が自分の運営するサイトがどのカテゴリに登録されているのか確認できるほか、保護者などが携帯フィルタリングに申し込む前に、利用しているサイトがどのカテゴリに分類されているのかを確認するために活用できる。

 その結果、サイトごとの具体的なカテゴリ分類を確認できるようになり、逆にカテゴリ分類の不備を見つけた場合にもネットスターに通知するフォームを用意した。ネットスターでは「不適当と思われる分類結果や、分類漏れなどを見つけた場合は、ぜひサイト経由で知らせてほしい。なるべく多くのユーザーの声をもとに、より正確で役立つ分類リストを提供できるように今後も努力していく」とコメントしている。

 12日夜には、コミケ公式サイトのトップページは「登録されていません」と表示されており、カテゴリ分類が修正された模様だ。


関連情報

URL
  フィルタリングのカテゴリ分類情報サイト
  http://category.netstar-inc.com/
  スラッシュドット・ジャパン
  http://slashdot.jp/

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( 永沢 茂 )
2008/08/12 20:28

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