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「小さな企業への弱い者いじめ」TVブレイクがJASRACの提訴に反論


 ジャストオンラインは27日、同社が運営する動画投稿サイト「TVブレイク」に対して、日本音楽著作権協会(JASRAC)が管理著作物の利用禁止と損害賠償を求めて提訴したことについて、見解を発表した。

 この問題は、JASRACが「TVブレイク」のサービスについて、管理著作物が無許諾で大量にアップロードされ公衆送信されている状況にあるとして、著作物の利用禁止と損害賠償を求めて東京地裁に提訴したもの。JASRACでは、「TVブレイク」への権利侵害動画の投稿を防止するための具体的な対策や、権利侵害動画の配信停止を2007年6月から要請してきたが、ジャストオンラインが要請を拒否したため、提訴に踏みきったと説明している。

 ジャストオンラインでは、8月18日付で訴状が届いたとして、訴訟に対するコメントを発表。インターネットで消費者発信型のサービスが増える中で、「弊社のような小さな企業を見せしめとして狙い撃ちしたものであると感じざるを得ません」と述べている。

 また、会社だけではなく代表者個人も訴えられており、その理由として「個人会社である」ことが挙げられている点についても、「事業としての責任を負うのが代表取締役であり、会社の大小で責任を負ったり負わなかったりする訳はありません」と反論。こうした行為に対しては、「小さな企業を対象とした、いわゆる『弱い者いじめ』感が否めない」と反発している。

 ジャストオンラインではこれまでの経緯について、JASRACとは2007年6月から3回に渡って書面でのやりとりを重ねており、その際にJASRACからは「権利侵害作品の投稿を防止するために、送信可能化される前にこれを排除する具体的な対策」を要求され続けたと説明。これに対してジャストオンラインでは、「大手サイトにおいてもいまだこうした『具体的な対策』など取られていない現状を知っているにも関わらず、弊社にそれ以上の基準を満たす要求をすることは、資金的・人的な観点からすれば非現実的である」と回答してきたという。

 また、JASRACからは2006年に具体的な削除要請を受けたことがあり、その際には即時対応しており、JASRACに限らず権利者からの具体的な削除要請を受けて対応しなかったことはないと説明。その後はJASRACから具体的な削除要請は一切なかったため削除などの措置は行ってこなかったが、今回の訴状に添付された書類において権利侵害に該当するとの指摘を受けたコンテンツ(2万613件)については具体的な削除要請と受け取り、さっそく削除作業にとりかかるとしている。


 ジャストオンラインでは、TVブレイクはプロバイダー責任制限法に沿って適法の範囲において運営されていると主張。一方、JASRAC側は、ジャストオンラインはTVブレイクに投稿されるコンテンツについて管理権限があり、TVブレイクの運用から収益を得ているため、著作権侵害コンテンツについても自ら侵害行為を行っているものと同視でき、プロバイダー責任制限法による免責の対象とはならないと主張しており、こうした点については法廷の場で反論していくと説明している。

 ジャストオンラインでは、「利用者が安心して、音楽をより楽しめる環境を提供できるのであれば、当然、弊社もそれを望みます。こうした話し合いを展開できる場や機会を与えられず、提訴に踏み切られたという点について、今回の提訴は大変残念だと言わざるを得ません」とコメント。サービスについては「ユーザーが主役のサイト作り」を行ってきたとして、今後もユーザーを第一に考えてサービスを継続していくとしている。


関連情報

URL
  ジャストオンライン JASRACからの提訴に対する弊社見解
  http://www.tvbreak.jp/info/?p=board&work=view&&code=notice&id=90

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( 三柳英樹 )
2008/08/28 20:54

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