欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会はこのほど、欧州のデジタルTVの標準規格であるDVB-Tを南米のコロンビアが採用したと発表した。この規格は、すでにEU域内はもちろん、アジア、アフリカ、オセアニア、南米など120カ国以上で採用されている。コロンビアの加盟で、その国際標準としての地位がより高まったといえる。
南米ではDVB-Tの採用を検討している国が多く、ペルー、ベネズエラ、アルゼンチン、チリなどが検討中であるとしている。今回のコロンビアの決定は、これら検討中の国の決定に影響を与えるとみられる。なお、南米では、2007年8月にウルグアイが南米で初めてDVB-Tの採用を決定しているという。
欧州委員会の通信担当Viviane Reding委員は、この決定に対して歓迎のコメントを発表し、デジタルTVの欧州における主導権がより固まったと強調。DVB-Tはオープンスタンダードであり、価格が低いことから、セットトップボックスなどへの採用も期待されるとして、デジタルTVの売りである双方向性を生かして教育、医療、政府サービスなどへの応用もスムーズに行えるのが特徴だとしている。
コロンビア政府の発表によれば、この決定により1億4500万ユーロの投資が見込まれ、2010年までにデジタルTVの普及率は25%に達すると予想している。EUではまた、携帯TV用の標準規格であるDVB-Hも開発しており、すでに2008年3月に欧州の標準規格リストに加え、現在世界中でその加盟を促しているとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/1294&type=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
■関連記事
・ EU、ウルグアイのデジタルテレビ標準採用を歓迎(2007/09/03)
( Gana Hiyoshi )
2008/09/08 13:43
- ページの先頭へ-
|