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パスワード詐取などの犯罪対策を強化した「ウイルスバスター 2009」


トレンドマイクロの大三川取締役(左)と「ウイルスバスター 2009」のテレビCMに起用された仲間リサ(右)
 トレンドマイクロ株式会社は9月10日、コンシューマ向けの総合セキュリティソフトウェア新版「ウイルスバスター2009」を発表した。個人情報保護機能が強化されたほか、メモリ使用量を45%削減するなど、従来製品よりも軽快な動作を実現している点が特徴。ダウンロード販売を同日より、パッケージ販売を19日より開始する。また、サポート継続中の既存ユーザーへの無償バージョンアップも、10日より開始される。

 ウイルスバスター2009は、ウイルス対策機能を中核に、スパイウェア対策、迷惑メール(スパム)対策、パーソナルファイアウォールなどのセキュリティ機能を統合して提供する個人向けのセキュリティソフトウェア。新版では、「安心」と「軽快」の2つをテーマに、機能の強化が図られたという。


「ウイルスバスター 2009」。1年版の場合、パッケージは5980円、ダウンロードは4980円 新しく追加された、保険とPCサポートがついた「ウイルスバスター2009+保険&PCサポート」のパッケージは白色。1年版の場合、パッケージが7980円、ダウンロードが6980円

「安心」と「軽快」の2つをテーマに機能強化

 「安心」と「軽快」のうち、「安心」については、2つの点で強化を行っている。まず、急増するWebからの脅威に対応するため、「Webレピュテーション」技術の適用範囲を拡大した。Webレピュテーションとは、「サーバーの登録年月日やWebサイトの安定性などを基準に、サーバーの危険度を評価する」(コンシューママーケティンググループプロダクトマーケティングマネージャーの長島理恵氏)機能。

 コンシューマ製品では前バージョンのウイルスバスター2008から、Webブラウザのアドオンツール「Trendプロテクト」を提供し、悪意のあるWebサイトをわかりやすくユーザーに提示していたが、新版からはメールとIM(インスタントメッセンジャー)、Webメールにも、Webレピュテーション技術を適用する。


製品説明を行った、コンシューママーケティンググループ プロダクトマーケティングマネージャーの長島理恵氏 ウイルスバスター 2009のメイン操作画面

 メールでは、「スパムの中に危険なURLが仕込まれているケースが増えている」(長島氏)ことから、埋め込まれたURLが安全かどうかを、 Webレピュテーションによってタイムリーに判断し、危険なWebサイトへユーザーが誘導されることを防ぐ。具体的には、危険なWebサイトのURLが入っているメールを、スパムとして判定する。

 またIMとWebメールでは、送られて来たメッセージ/メールの中に危険なURLが含まれた場合、視覚的に注意をうながす。こうしたわかりやすい機能は、特に初心者ユーザーに有効としたほか、長島氏は「Trendプロテクトと併用すれば、万一危険なURLをクリックしてしまってもブロックできるため、より安全にインターネットを楽しめる」とも述べ、製品の導入効果を強調した。対応環境は、IMがMSN Messenger 8.5、WebメールがWindows Live Mail(MSN Hotmail)とYahoo!メール。


Webメールでは、視覚的にリンクの色を変えて表示。危険なリンクは赤く表示される

IMで送られてくるURLを評価する機能も追加されている スパム対策機能にも、Webレピュテーション技術が利用されるようになった

 「安心」における2つ目の強化は、「キー入力暗号化」機能による個人情報保護の強化。Webブラウザのテキストボックスに入力されるパスワードを、 128ビットのLocalSSLで暗号化するとともに、通常のキー入力の伝達ルートをバイパスする仕組みを導入した。このため、「万一キーロガーに盗まれても正しいパスワードは漏えいせず、個人情報の安全が守られる」(長島氏)という。なおこの機能は、IE6 SP2、IE7向けにプラグインとして提供される。


キー入力暗号化の仕組み 発表会場では、キーロガーでパスワードを盗み出そうとするデモも実施。しかし、暗号化されていたため、正しく読み出すことができなかった

 一方の「軽快」では、ウイルスバスター2008と比べてメモリ使用量を45%削減したほか、CPUの利用率などについても軽減するよう見直した。また、レジストリや、PC内にたまったキャッシュをクリーニングする「システムチューナー」機能や、全画面表示でゲームやDVD再生を行っている時は、ポップアップやスケジュールスキャンを行わない「全画面サイレントモード」機能も新たに搭載。ストレスを感じさせずにセキュリティレベルを保てるよう配慮したという。


「軽快」を追求するための新機能

新たに保険とPDサポート付き製品を用意、950万ユーザーが目標

取締役 日本地域担当グローバルコンシューマビジネスジェネラルマネージャの大三川彰彦氏
 製品は、ダウンロードとパッケージの両形態で提供する。いずれも、製品1本につき3台までのPCで使用でき、同社オンラインショップでの価格は、パッケージの「1年版」が5980円、「3年版」が1万2800円、「ダウンロード 1年版」が4980円、「同 2年版」が8980円、「同 3年版」が1万1800円。6台までのPCで使用できる「6ユーザパック」も用意され、こちらはパッケージが9800円、ダウンロード版が8980円。

 このほか今回からの新ラインアップとして、「ウイルスバスター2009+保険&PCサポート」の提供も発表された。ウイルスバスターのサポート契約中、PC・インターネットの利用におけるトラブル発生時のサポートを何度でも受けられるほか、クレジットカードの不正使用による損害に対し、年間 100万円を限度に補償が受けられるという。

 保険とPCサポートをセットした製品を発売する背景として長島氏は、「初心者ユーザーは、PCで何か問題があった場合、原因がOSにあるのかアプリケーションにあるのか、あるいは表示しようとしたWebサイトなどデータにあるのかという切り分けができない」点を指摘。

 そういった初心者ユーザーが、メーカーに電話するとアプリケーションベンダーに聞いてくれといわれるなどの、サポートをたらい回しにされることを防ぐ目的で提供すると説明した。このため、PCサポート窓口では「ウイルスバスター 2009」のみについてではなく、幅広くPCに関するサポートを行う。

 こちらも通常製品同様、パッケージとダウンロードの両形態が用意されており、ダイレクト価格は、パッケージの1年版が7980円、ダウンロードの1年版が6980円、などとなっている。なお、サポートは株式会社JPSS、保険はアメリカンホーム保険会社との連携により提供されるとのこと。

 ウイルスバスター2009の対応OSは、Windows XPがHome Edition/Professional/Media Center Edition 2005/Tablet PC Edition 2005で、いずれもSP2以降の32ビット版が対象。Windows Vistaは、Home Basic/Home Premium/Business/Ultimateで、32ビット版と64ビット版をいずれもサポートする。


 新版の発売にあたり、取締役 日本地域担当グローバルコンシューマビジネスジェネラルマネージャの大三川彰彦氏は、「Webとインターネットのテクノロジーがさまざま進化する中で、個人ユーザーを取り巻く環境は激変。限度を決めて(インターネットなどを)利用している企業の方がかえって後追いになっており、企業ユーザーよりも個人ユーザーがより多様なネットの脅威にさらされている。地下組織がそこを狙って犯罪に走っているのが現在の状況」という点を指摘。トレンドマイクロが積み重ねてきた20年の実績を強調し、「(新版では)複合的な脅威に単一製品で対応できる」とアピールしていた。

 同社では、新版のPRのため、東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、仙台の6地区でテレビCMを展開。「安心・軽快の気持ち良さを訴求し、確固たる1位の座を築く」としており、新規・更新をあわせて、1年間に950万ユーザーへの販売を目指す。


関連情報

URL
  プレスリリース
  http://jp.trendmicro.com/jp/about/news/pr/article/20080909142830.html
  トレンドマイクロ
  http://www.trendmicro.co.jp/


( 石井一志 )
2008/09/10 16:43

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