英O3b Networksは9日、多数の人工衛星によって、途上国地域に抵コストのブロードバンドサービスを提供することを目指すと発表した。
O3bには、米Googleも出資している。11日に発表されたGoogle公式ブログのコメントでは、「Googleのミッションは、情報をどこからでもアクセスできるようにすることだ」と指摘したうえで、O3bのミッションが「アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、中東地域の途上国にいる、いわゆる『その他30億人の人々』に対して、高速で低コストのインターネット接続を提供することだ」と説明した。
O3bは現在、最初に打ち上げることになる16個の衛星の製造を進めている。これら16機の同期衛星には、2300個相当のトランスポンダーが搭載され、最大で10Gbpsに及ぶ低遅延のインターネットバックホールサービスを提供できる。サービス開始は2010年後半を目指している。これらのシステムはスケールアップ可能で、需要拡大に応じて衛星を増やし、容量を拡張することが可能だとしている。
主に北半球に位置する先進国では、海底に光ケーブルが張り巡らされており、インターネットトラフィックを運んでいる。しかし途上国の多くは、光ケーブルを敷設することは経済的に難しいだけでなく、政治的情勢からも難しいことが多い。
O3bの計画は人工衛星によって行われるため、アフリカ大陸内陸部や、太平洋に浮かぶ島々などでも使用できるサービスとなる。O3bはこれにより、低コストで低遅延のインターネットバックホールサービスや、3G携帯電話バックホールサービスを提供し、現地の電話会社やISPが低コストのブロードバンドサービスを提供する道を開くことになる。
O3bには、Google以外に、ケーブルサービスプロバイダー大手のLiberty Global、大手銀行のHSBCが出資しているが、出資額などは明らかにされていない。
O3bは、ハイテク起業家であるGreg Wyler氏によって設立され、英仏海峡に浮かぶ英領チャネル諸島に本社を持ち、米国コロラド州にある完全子会社を通して技術開発を行っている。
関連情報
■URL
O3b Networksのニュースリリース(英文)
http://www.o3bnetworks.com/press_o3blaunch.html
Google Public Policy公式ブログの該当記事(英文)
http://googlepublicpolicy.blogspot.com/2008/09/google-invests-in-o3b-networks.html
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/09/12 13:37
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